動き出した1400キロのサイクリングロード 千葉から和歌山まで、壮大な計画の狙い:地域ビジネス、ここがカギ(4/4 ページ)
千葉県から太平洋岸を通り、和歌山県に至る全長約1400キロのサイクリングロードの整備が加速している。2020年を機に、サイクリング好きの外国人観光客を取り込むことが期待されているからだ。どのようなルートになるのだろうか。
台湾と四国、計2000キロ走破の取り組みも
四国では、徳島、香川、愛媛、高知の4県が共同で、約1000キロの四国一周ルートの整備とPRを進めている。5キロ刻みで統一デザインの路面標識を設けるなど、走行環境の充実を図っている。自転車専用ラックを搭載したバスも登場し、区間や期間を分けて周回に挑戦したいサイクリストを応援している。完走を目指す人には、有料でジャージーを配布し、3年以内に達成すると証明書を発行するなど独自の取り組みも行っている。お遍路文化の影響だろうか、一周を達成させようという熱意を感じる。
挑戦したい場合は、愛媛県のプロジェクト事務局などに申し込み、8000円のチャレンジキットを購入する。走破を目指していることを示すサイクルジャージと公式パスを受け取れる。19年9月現在で完走者は566人に達したという。また、台湾とも連携しており、台湾一周と四国一周の計約2000キロを走破すると、「両環島成功」などと大書した特別なジャージーがもらえる。
自治体だけでなく、国をも超えてつながる自転車ツーリズム。環境に優しく、地域をよりよく知ることができるという点で、現代社会のニーズにマッチしている。日本でも長距離サイクリングロードの整備が進んでいけば、欧州のように休暇を取って家族や仲間たちと自転車旅行に出掛ける文化がより一般的になるかもしれない。
著者プロフィール
甲斐誠(かい・まこと)
1980年、東京都生まれ。現役の記者として、官公庁や地域活性化、文化芸術関連をテーマに取材、執筆を重ねている。中部・九州地方での勤務経験あり。
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