実は“時代遅れ”じゃなかった 低迷していた明治の牛乳宅配はなぜ再成長してるのか:乱立するサブスクビジネス 成否のカギを探る(4/5 ページ)
スーパーやコンビニの台頭で低迷していた明治の牛乳宅配。「宅配専用の機能性商品の開発」と「宅配販売店の営業力強化」で再成長。どういった点がお客に支持されているのか。
競合との差別化要因は?
近年、自宅に商品を定期的に届けるサービスは増えている。例えば、地域生協の宅配事業は右肩上がりで成長している。注文用紙やネットを通じて注文すれば、牛乳や機能性ヨーグルトを週1ペースで購入することも可能だ。また、Amazon.co.jpなどで気軽に注文できる環境も整っている。なぜ、お客はわざわざ明治の宅配サービスを利用するのか。
小池氏は「定期的に商品が自宅に届くので、習慣化できる点が支持されています」と説明する。「健康のためにがんばって飲もう」という心理になるのがメリットとして受け取られていると分析している。また、他に支持される要因には「ビンだからおいしく感じる」「環境によい」「(明治の工場から販売店に直送されているので)新鮮な牛乳が飲める」といった理由もあるようだ。
明治の宅配ビジネスを支持していたのはシニア層だ。しかし、最近では「元気で若々しいアクティブシニア」と「介護が必要になっているシニア」の中間層をターゲットにしている。やりたいことはいろいろあるが、病気や身体能力の衰えなどで思うようにできないことが増えてきた。でも、要介護の状態になるのは避けたい。だから、牛乳やヨーグルトを摂取したい。こんなことを考えている層だ。
2008年には60代のお客は全体の半数近くだったが、18年には70%にまで増えているという。また、売り上げの半分以上をR-1やLG21といった機能性ヨーグルトが占めるまでになった。健康に対する関心の高まりと高齢化はビジネスの追い風になっている。
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