埋没気味だった「喜多方ラーメン坂内」が逆襲を開始 あっさり味が国内外で支持されそうな理由:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/6 ページ)
1990年のピーク時には89店を展開していた「喜多方ラーメン坂内」。最近は埋没気味だったが、米国に進出したり、国内の店舗数を増やしたりしている。「あっさり味」が武器になる理由とは。
複数のラーメン店を経営する難しさ
喜多方ラーメンを代表する名店「坂内食堂」。喜多方市内では「まこと食堂」「あべ食堂」とともに、御三家と並び称される1958年創業の老舗である。坂内食堂は、年間180万人ほどの観光客を集める喜多方でも、トップクラスの人気店だ。
喜多方にはラーメンだけでなく、歴史ある4200棟もの蔵が建つ町並みと、3キロにわたって1000本ものしだれ桜が咲き誇るさくらまつりがあり、数多くの観光客を集めている。
そして、坂内食堂から“坂内”ののれんを使って全国チェーンを展開する許可を得ているのが喜多方ラーメン坂内だ。経営するのは1988年に設立された麺食(東京都大田区)という外食企業。
麺食の中原明会長(当時・社長)が、坂内食堂の先代である故・坂内新吾氏と意気投合し、ラーメンのつくり方を教えてもらってスタートした。国内66店のうち、42店がフランチャイズ(FC)、ラーメン以外の店が5店。米国に6店。年商は会社単体で32億円あり、全ての店舗を合わせると48億円だ。
麺食も代替わりがあり、2012年からは2代目の中原誠氏が社長に就任している。
「複数のラーメン店を経営するのは非常に難しいです。というのは、同じ味で出していても、2〜3店に増やすと味が変わったと言われ始めます。5〜10店を出店すると、味が落ちたと言われがちです。1店から5店の壁がなかなか越えられない」と、中原社長はラーメンチェーン経営の難しさを語った。
最近のラーメンチェーンは、微妙に屋号を変えてチェーンでないように見せかけるのが流行している。ギフトという会社が経営する横浜家系ラーメンの「町田商店」と「代々木商店」と「綱島商店」が同じチェーンだとはなかなか気付かない。経営者もよく考えている。
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