スマホ決済、使わないと“旧人類”に? 稼ぐ人ほどキャッシュレス派、そう考える理由:必要な「取りあえず」の精神(3/4 ページ)
増税に伴うキャッシュレス還元施策という追い風もあり、キャッシュレスの波が広がっている。とはいえまだまだ現金派も少なくないが、筆者は稼げる人ほど「キャッシュレス派」だと主張する。その理由とは?
使わないうちに「旧人類」に
私はこの前の夏休みに、家族で白馬へ旅行した。それも、ホテルや旅館ではなく、Airbnb(エアビーアンドビー)を利用して別荘地に3泊。その際に経験した別荘のオーナーや地域の人たちとの交流は、普通に旅行代理店を使ってホテルを予約したのでは味わえない、豊かな経験になった。
当初、妻は「民泊のようなものは利用したくない」と言っていた。しかし、2人の子どもたちの白馬の暮らしを楽しむ姿を見て、考えを改めたようだ。妻は「また利用してみたいね。エアビーを」と言った。私もそうだが、旅行の概念が「変容」したのだと思う。
次に、メルカリについて書こう。高1の息子に、わが家はほとんどお小遣いをあげない。なぜなら息子はメルカリをやっているからだ。着られなくなった自分の服、ユニフォーム、CDなどを売ってお金にし、メルペイを使っておやつを買ったり、友達とカラオケに行ったりして楽しんでいる。限定品のシューズをメルカリで見つけて買うこともあるようだ。買い物体験を変容させて、ただ買うだけではなく「商取引の感覚」や「お金に対する自律的感覚」を養うことができていると思う。
また、メルカリは取引するときにコミュニケーションが発生するため、SNS的要素が強い。「商売っ気」を出すと敬遠される可能性が高いので、どうすれば他者視点に立てるかという「コミュニケーション力」を鍛えるのにもいい。息子の同級生も、ほとんどがメルカリをやっていて、普段の会話のなかに、メルカリが入ってくるそうだ。
このように、最近のサービスは単なる「デジタル化」ではなく、ユーザーの「価値変容」を巻き起こす力を持っている。「ふーん。話題になってるけど、ちょっと便利なだけでしょ」と甘く見ていると、知らないうちに世の中からどんどん取り残されて「旧人類」になっていくのだ。
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