「ストーカーアプリ」の危険な現実 メール盗み見、会議盗聴を疑うべき“異常”とは:世界を読み解くニュース・サロン(4/4 ページ)
行動などを監視するアプリ「ストーカーウェア」について、米国人の1割が使った経験があることが分かった。他のアプリと同じように入手できるものも多く、相手に気付かれずにインストールできてしまう。スマホに“異常”を感じたら、被害に遭っている可能性がある。
ストーカーウェアを疑った方がいい“異常”
ストーカーウェアの危険性に警鐘を鳴らしている米連邦取引委員会(FTC)によれば、次のような異常を感じたら、自分のスマホにストーカーウェアがインストールされている可能性を考えたほうがいいという。例えば、バッテリーの消費が通常よりも早いと感じる場合や、通信料などの請求書に異常を感じる場合。また、スマホの電源を落とせない状況になった場合も注意だ。それ以外でも、パートナーがあなたの行動を知り過ぎている場合や、あなたのスマホを操作できる状況があった場合なども気を付けたほうがいい。
また、こうした不正なインストール行為などは犯罪になる可能性もあるため、警察に届けるのも有効かもしれない。とにかく、自分でできる最大の防御は、スマホを手元から離した状態で長時間放置しておかないことだろう。相手が不正に操作して、ストーカーウェアのインストールを行う状況をつくり出さないことが大事だ。
テクノロジーの進化によって世界は便利になっていくが、それに伴って、あちこちでリスクが増えている現実も知っておく必要があるだろう。
筆者プロフィール:
山田敏弘
元MITフェロー、ジャーナリスト、ノンフィクション作家。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト・フェローを経てフリーに。
国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)、『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)、『CIAスパイ養成官 キヨ・ヤマダの対日工作』(新潮社)、『サイバー戦争の今』(KKベストセラーズ)がある。テレビ・ラジオにも出演し、講演や大学での講義なども行っている。
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