2015年7月27日以前の記事
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「ストーカーアプリ」の危険な現実 メール盗み見、会議盗聴を疑うべき“異常”とは世界を読み解くニュース・サロン(3/4 ページ)

行動などを監視するアプリ「ストーカーウェア」について、米国人の1割が使った経験があることが分かった。他のアプリと同じように入手できるものも多く、相手に気付かれずにインストールできてしまう。スマホに“異常”を感じたら、被害に遭っている可能性がある。

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ビジネスで悪用される危険性

 こうしたストーカーウェアはビジネスパーソンにとっても無関係ではない。

 日本でも、企業から支給されたスマホやPCを持ち歩くビジネスパーソンは少なくないだろう。実際に社員の行動をチェックできるストーカーウェアのアプリは今もマーケットなどで出品されており、誰でもダウンロードできる。ストーカーウェアをインストールしたスマホなどを持ち歩けば、社員はプライベートの時間でも、全ての行動を監視されてしまう可能性があることを意味する。もちろんそのデバイスでやりとりした情報は、仕事だろうがプライベートだろうが、全て会社側に把握されることも理解しておく必要がある。

 また、例えばカンファレンスや、出張で滞在しているホテルなどで悪意ある人が隙を見てスマホを不正に操作すれば、企業から支給されたスマホに保存されている企業の内部情報が盗まれる事態も起きかねない。スマホのパスワードなどは、肩越しにチラ見するだけでゲットできてしまうため、思った以上にあっさりとロック解除もされてしまうものだ。

 なんらかの形でストーカーウェアが入れられてしまったら、あとはメールなどのやりとりや書類が盗まれたり、スマホが盗聴器になって会議などの内容も聞かれかねない。企業の内部情報が外部にだだ漏れになってしまう可能性もある。そうした情報は、地下のインターネットであるダーク(闇)ウェブなどで公開されたり、売りに出されることもある。


スマホからビジネスの情報が流出してしまう危険もある(写真提供:ゲッティイメージズ)

 さらに、セキュリティ意識の低いパートナーなどによってストーカーウェアをインストールされてしまえば、スマホ内にあるビジネス関連のデータが、パートナーの設定した安全ではないクラウドやメールなどに送られることになり、そこから何者かによって情報が盗まれてしまうことも考えられる。のちに、そうしたデータを狙った産業スパイや、インテリジェンス活動などにも巻き込まれる可能性もある。

 では、そうしたストーカーウェアがインストールされていないか確認する術はあるのか。

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