連載
新型コロナが“あの”外食チェーンを直撃 一方で松屋、スシロー、鳥貴族が順調なワケ:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/6 ページ)
新型コロナウイルスの感染が広がる。外食チェーンへの影響はどうなっているのか。各社の最新動向を探った。
テークアウトが増えた
デリバリーやテークアウトの増加は、19年10月の消費増税以降、外食チェーンに共通する傾向だ。イートインの税率が10%に上がったのに対して、軽減税率が適用されて8%に据え置かれるテークアウトが好まれている。
スシローは19年10月以降、既存店売上高が全て前年同月比で増加している。しかも、平均して8%近い伸び率を示しているが、デリバリーやテークアウトが大きく貢献している。近年不振だったモスバーガーの復調も、同様の理由である。
フードデリバリーを請け負う企業の業績も好調だ。出前館は118%(107%)となっており、2月はの売り上げ増は2割近くに迫った。同社の広報によると、「デリバリーを始めたいという飲食店からの問い合わせが急増しており、これまでの2〜3倍となった」と驚いている。
ウーバーが展開するウーバー・イーツでは「拠点やサービスの提供を始める店舗の増加が、売り上げ増に寄与している」(同社・広報)という。既にサービスを始めている店の注文は、19年10月の消費増税以降に増えているが、新型コロナによって顕著に増えたとまでは言えないそうだ。
つまり、日常食のグループは、商品のヒット、ポイント還元効果、デリバリーやテークアウトの好調などが複合的に作用して、新型コロナに負けず、2月を乗り切ったといえるだろう。
関連記事
- 「どさん子ラーメン」は今…… 急成長から衰退までの経緯と復活のシナリオに迫る
札幌みそラーメンの“伝道師”として急成長した「どさん子ラーメン」。かつては1000店以上を展開していたが、マネされるのも早かった。“衰退”したと思われている一方で、復活に向けた動きもある。 - レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。 - 松屋の魅力は券売機!? 人手不足時代に吉野家とすき家が導入しない理由とは
大手牛丼チェーン3社のうち券売機を導入しているのは松屋だけだ。生産性向上の切り札である券売機を吉野家とすき家は導入していない。各社に見解を聞いてみた。 - 「なぜ売れるか分からない」 ドンキ化したファミマの人気商品に幹部が困惑
ドン・キホーテのノウハウを取り入れた共同実験店が6月にオープンした。店舗の売れ筋商品を分析したところ、ある商品が上位に食い込んだ。ファミマの幹部は「なぜ売れるのか分からない」と原因を分析しきれていない。 - 「生ビール190円」の原価率は85%? お客が3杯飲んでもしっかり利益が出る仕組みとは
「生ビール1杯190円」という看板を見かける。安さでお客を引き寄せる戦略だが、実は隠されたメリットもある。どんな狙いがあるのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.