フリーランスで働く8割が「不安」、5割はトラブルを経験 収入の平均は……:ネット受注をする1000人に聞いた(1/2 ページ)
働き方の多様化により、新型コロナウイルス感染拡大に伴う臨時休校に対応する保護者への補償ではさまざまな議論が出ている。2月に連合が発表した調査では、ネット受注をするフリーランスの8割が不安を抱えながら働いていることが分かった。
新型コロナウイルス感染拡大防止を目的に実施された臨時休校措置。子どもの世話のために仕事を休まざるを得ない状況になった保護者への補償を巡って、企業の従業員と、フリーランスや自営業者の間の補償内容の違いや“不公平感”が議論になっている。
働き方の多様化によって、従来の考え方ではセーフティーネットからはじき出されてしまう立場の人も増えてきた。日本労働組合総連合会(連合)が2月に発表した「ネット受注をするフリーランスに関する調査」結果では、8割の人たちが収入などの不安を抱えながらフリーランスとして働いていることが分かった。
調査は、インターネット上のサービス(マッチングサイトやアプリ、SNSなど)を介して仕事を受注する働き方をしている20歳以上のフリーランス1000人に実施。仕事の位置付けは、「専業」が37.5%、「本業は別にあり、副業として行っている」が44.8%、「本業を決めず複数就業の一つとして行っている(複業)」が17.7%。
仕事内容は「データ入力作業」が29.8%と最も多い。「文書入力、テープ起こし、反訳」(17.7%)、「添削、校正、採点」(12.2%)、「原稿・ライティング・記事等執筆業務」(6.6%)、「取引文書作成」(6.4%)と続いた。
1週間当たりの労働日数は平均3.7日、1日当たりの労働時間は平均4.5時間。ただ、専業、副業、複業の形態によってばらつきがある。
現在の働き方で得られる月収(税込)は、平均10万5410円。就業形態別にみると、専業では「30万円超」が23.2%を占めたが、「5万円以下」(19.7%)と「5万円超10万円以下」(20.0%)もそれぞれ2割を占めた。副業では「5万円以下」が56.9%と過半数となり、「5万円超10万円以下」(29.2%)も多かった。複業でも「5万円以下」(44.6%)が最多。「5万円超10万円以下」は26.0%だった。それぞれの平均は、専業が16万8600円、副業が6万201円、複業が8万5960円だった。
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