楽天、スケジュール通りに送料込みラインを導入できたが…… Amazon追撃へ、まだまだ続く“綱渡り”:出店者支援策はわずか1週間で決定(1/2 ページ)
楽天が18日、楽天市場において税込3980円以上(一部商品・地域は対象外)の買い物をすると送料が無料となる、送料込みラインを導入した。公正取引委員会や一部出店者ら、数々の反対があったが、方針を変えながらなんとかこぎ着けた形。Amazon追撃のためには今後も“綱渡り”は続きそうだ。
楽天は3月18日、運営するECモール「楽天市場」において、送料込みラインを導入したと発表。同施策は、3980円(税込、以下同)以上購入した場合に送料が無料となる(一部商品、地域は対象外)施策。当初は一斉導入を予定していたが、新型コロナウイルスの影響を受け、希望する一部店舗のみで導入した。これに伴い、18日午前10時〜21日午前9時59分の期間限定で、キャンペーンを実施すると合わせて発表した。
キャンペーン名は「『39ショップ(送料無料ライン対応)限定 エントリー&3,980円(税込)以上購入でポイント5倍』キャンペーン」。送料が無料となるラインを「3980円以下」に設定している店舗を「39ショップ」と表現し、該当店舗で同一注文・同一配送先への買い物金額が3980円以上の場合、送料無料となるだけでなく楽天スーパーポイントを通常の5倍付与する。なお、期間中の付与上限は3000ポイント。また、キャンペーンに参加するユーザーは、事前にキャンペーンページからエントリーする必要がある。
送料込みラインの導入については一部店舗を中心に、楽天側がモール運営者という立場を利用して出店者へ送料負担を強い、無料化を“強制している”という意見や、導入によって売り上げや利益が低下する可能性を指摘する意見などが噴出。また、独占禁止法に違反している恐れがあるとして公正取引委員会が調査に乗り出し、一時は東京地方裁判所に緊急停止命令の申し立てをするなど(取り下げ済み)、波紋を広げていた。
楽天はこうした流れや昨今の新型コロナウイルスの影響を受け、方針を変更。送料込みラインの導入を、いったんは希望する出店者のみとするほか、出店者へのサポートを急きょ用意した。
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