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ラグビー前日本代表キャプテン・廣瀬俊朗が後輩たちに語る「チームの作り方」個人とチームをどうリンクさせるのか(3/3 ページ)

 2019年、ラグビーワールドカップ(RWC)によってラグビーは社会現象となるほど盛り上がりを見せた。ラグビー日本代表の元キャプテン、廣瀬俊朗は試合の解説以外にも、自身の会社を経営するなど起業家としても活躍している。後編ではBBTがラグビーチームのリコーブラックラムズ向けに全10回の人材育成講義「MFP(Make Future Project)」を実施しており、その中で行った廣瀬の講義の様子をレポートする。さまざまなバックグラウンドを持つメンバーをまとめてきた廣瀬の知見を生かした講義だ。

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『オールブラックス・プライド』

 以上が、廣瀬の講義内容だ。印象的だったのは廣瀬が「現役を終えてからの人生の方が長い」と選手たちに問いかけていたことだ。齋藤龍太郎著の『オールブラックス・プライド』(東邦出版)は、そのヒントになる1冊だ。同書は、総人口が500万人にも満たないニュージーランドにおいて、ラグビーの代表チームがなぜ強いのかをひもといている。

 サッカーで世界最強のチームがどこかと言えば多くの人が「ブラジル代表」と答えるだろう。それがラグビーではニュージーランド代表となる。ニュージーランド代表を指す「オールブラックス」という愛称は、ラグビーをあまり知らない日本人にもRWCによって知られることとなった。 

 リッチー・マコウなどの歴代のキャプテンのインタビューを交えながら「国民にとってオールブラックスは宗教のようなもの」「誇り高き歴史が強さの根源」など、代表としてのオールブラックスが持つカルチャーが、チームの強さの源泉だということを明らかにしている。同書では代表のセカンドキャリアにも言及している。このように熱狂的な人気を誇るニュージーランド代表になった選手でさえ、自身のセカンドキャリアについての悩みはあるとし、選手会が手厚いサポートをしているとも書かれている。

 廣瀬は日本のラグビー選手のセカンドキャリアを切り開いている。一方で、ニュージーランド代表は現役時代からセカンドキャリアについての時間を割けるようにしている。このように現役を終えてからの環境を用意することによって、現役選手たちが試合やプレーに集中することができ、最高のパフォーマンスを発揮させる体制を整えている点は参考になる。

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