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急上昇で話題の恐怖指数、VIXとはなにか?(2/3 ページ)

「恐怖指数」とも呼ばれるVIX指数が、米国時間3月16日に82.6を付けた。これは、リーマンショック時に匹敵する高さであり、投資家が現在の市場を強く不安視していることを表している。昨今、よく聞くようになったVIX指数だが、これはいったいどのようなもので、どんな特徴があるのだろうか。

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歴史的なVIX指数

 16日に82.6を付けたVIX指数だが、3月9日以降、1カ月近くも50を上回ったままだ。この状況をどう見たらいいのだろうか。

 平常時のVIXは、だいたい10〜20程度だといわれる。そして「20を超えるときは、何かしら景気悪化懸念、政治家の言動などで変動が予想されるとき。20程度に上がることは往々にしてある。そして、30までいくと、連日ニュースで取り上げられるような何かが起きたときが多い」(佐藤氏)。

 過去の大きな出来事の際に、VIXがどこまで上がったかを見てみよう。

  • 2008年9月  リーマン破綻 48.4
  • 2008年10月 リーマンショック 89.53
  • 2015年8月  中国減速懸念 53.29
  • 2018年2月 米国景気悪化懸念 50.3
  • 2020年3月 コロナショック 85.47

※数値は場中の最高値

 歴史的に見ると50を超えることもまれであり、80を超える状況が極めて珍しいことが分かる。


長期のVIX指数の推移。経済平常時は10〜20に収まり、危機が起きると跳ね上がる性質を持っていることが分かる

VIXの値動きの特徴

 現在も50を超えているVIXだが、今後はどうなるのだろうか。

 「コロナショックが5年10年続くことはない。パニックになったとしても、いつかは落ち着くだろうという考え方が前提にある。今後は緩やかにVIXは落ちてくるだろう」と佐藤氏。

 ただしリーマンショックの際も、一気に80以上にVIXは上がり、高値を付けてから50を割るまでは1〜2カ月程度かかるという動きを見せた。「今回は、3月初めに大きく上昇して、それが1カ月くらい続いている。新型コロナウイルスによる株式市場への影響が、いつ収まるのか分からないからだろう」(佐藤氏)

 リーマンショック時も、VIXが20を下回り、完全に落ち着いたといえるまでは1年以上の期間を要した。今回も、投資家はまだしばらく株価が大きく変動するのではないかと予想していることになる。

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