緊急事態宣言でも休めないコンビニ加盟店、新型コロナと「命がけの戦い」ルポ: コンビニオーナー“大反乱”の真相(2/4 ページ)
新型コロナによる緊急事態でも休めないコンビニ。「社会インフラ」として加盟店は不安を抱えつつ営業を続ける。本部に先んじて独自の対策を打ち出した現場の迫真ルポ。
加盟店、本部待たず自発的な感染対策
どのコンビニも感染防止に力を入れているが、本部からの指示は当初、手洗いの励行とマスク着用くらいで、店長やアルバイトが使うマスクも品薄でなかなか仕入れられなかった。加盟店関係者によると、首都圏のファミリーマートでは最近、アイリスオーヤマのマスク、お徳用大容量タイプ(60枚入り)が入ってきた。ローソンも「緊急事態宣言が出た地域に優先的にマスクが仕入れられるようにする」と加盟店に通知したという(費用は加盟店持ち)。
本部にも行政にも頼りきれない中、加盟店の間では自発的な工夫で感染防止を図る試みも広がりつつある。
東京都内のあるローソンでは7日、天井から透明のビニールシートをつるし、レジと来店客とを区切った。シートの下が開いていて、商品とお釣りはそこを通すが、咳やくしゃみの飛沫は遮られる。
同店の店長Aさんは、「本部からの指示ではありません。他店でやっているのをTwitterで知り、ホームセンターで透明のテーブルクロスを買ってきました。『素手でお釣りを渡さないで』と言われたスタッフもいたので、お客様への(感染予防の)アピールにもなると思って。本部社員は、シートを見て苦笑していました」と話す。
複数の関係者によると、飛沫感染防止のためのビニールシート設置は一部のセブンイレブンで始まり、他店にも広がった。
4月8日、セブンは全国、ローソンは緊急事態宣言が出た7都府県で、レジカウンターにビニールシート(間仕切り)を設置するなどの感染防止策を発表した(フランチャイズ加盟店に推奨)。ファミリーマートでも一部地域でビニールシート設置を始めた。現場での創意工夫が本部の施策に取り入れられた格好だ。
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