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自粛要請に振り回される「3密4業態」 ライブハウスやナイトクラブの“悲痛な声”に迫る長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/6 ページ)

新型コロナの感染拡大で夜の飲食店などが苦境。現場からはどのような声が聞こえるのか。取材の結果は。

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国や自治体の方針転換に振り回されたカラオケ

 カラオケは基本、休業している。

 2月27日に安倍晋三首相が行った休校要請以来、むしろ3月上旬は暇を持て余した学生のカラオケ利用が増加。「小中学生のみでの入店お断り」(カラオケ まねきねこ)や「小中学生のみでの利用を控えるお願い」(歌広場)といったことを顧客に訴えるチェーンも出てきた。

 しかし、3月23日に小池都知事が3密の条件に該当する場所に行くのを自粛するよう訴え、東京の都市封鎖の可能性を示唆した会見以降、顧客が激減した。


3月上旬には暇を持て余した多くの学生がカラオケ店を訪れた

 鉄人化計画が運営するカラオケチェーン「カラオケの鉄人」は、4月11日から当面の間、全店休業に入った。3月以降、ケースバイケースで臨時休業や短縮営業を実施。また、同社は新型コロナの予防策を動画で公開。従業員の手洗いを徹底していると強調した。手洗いは、出勤時、休憩前後、トイレ利用の後、清掃中、清掃後、屋外業務後、勤務中2時間おきなどに実施する。また、開店前や顧客の退出後などに部屋の清掃を徹底するとともに、扉の取っ手、空調調節ボタン、コール用受話器、ソファ、マイク、テーブル、鳴り物、メニュー、ドリンクバーをアルコール消毒するとした。従業員の健康管理についても、シフトイン前に非接触型体温計で検温したり、体調不良者の出勤禁止なども行っているとアピールしていた。


カラオケの鉄人が打ち出した「テレワークパスポート」

 同社では3月27日〜4月10日、東京都と神奈川県の52店舗で、期間中何度でも使える「テレワークパスポート」を販売した。これは、980円(税込)で購入すると、開店時から19時まで、ドリンクバー付きで部屋を利用できるサブスクリプションサービス。自宅の近隣にあるカラオケ店で、テレワークを行ってもらおうという企画だった。

 カラオケ店では、外回りの営業担当者が仕事場として使ったり、主婦の会合の場や学生が集まって勉強をしたりといったように、「歌う」以外の需要が伸びている。サブスクサービスはその流れにも沿った注目すべき企画だった。「国や東京都の方針転換に振り回されている」(同社・広報)と、さまざまなアイデアが顧客にうまく伝わっていかない現状を残念そうに嘆いていた。

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