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オンライン教育「周回遅れ」の日本 “コロナ休校”で広がる、埋められない空白世界を読み解くニュース・サロン(2/5 ページ)

新型コロナウイルスの影響で休校が続く各国では、オンライン教育の提供が進んでいる。PCやルーターなどを無償提供して環境を整え、通常通りの時間割でオンライン授業を実施している国もある。日本も「教育の空白」を広げないための方向性を示すことが必要だ。

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PCやルーターを必要な家庭に無償提供

 まずは米国だ。今、米国では感染者数や死者数が世界のトップになっている。もちろん、事実上のロックダウンになっている都市も多く、全米のほとんどで学校は休校状態にある。そこでオンライン授業が提供されている。

 例えば、ネバダ州ラスベガスでは3月16日から休校。インターネットで、オリエンテーションも授業もプレゼンテーションも行っている。小・中学生には、多数でビデオ通話ができるアプリ「Zoom」などを使ったオンライン授業を実施。加えて、宿題がネット上で出されるため、生徒はそこにアクセスして提出しなければならない。米国は貧富の差が激しいので、PCがない家庭には、市や地区からIT大手Googleが販売するChromebook(クロームブック)が、ルーターなどと合わせて無料で提供されている。

 使われるアプリは「Zoom」以外に、「Seesaw」や「Google Classroom」などが人気である。


米国では、インターネットを使って子供たちの教育を絶やさない取り組みが進んでいる

 カリフォルニア州やマサチューセッツ州などの知人らに話を聞くと、こうした地域でも、必要な家庭にはクロームブックやルーターが無料で提供されている。とにかく子供たちへの教育をなるべく絶やさないようにオンライン化が進められ、手探り状態ながら教育格差が起きないように対策が続けられている。

 ちなみに米国は訴訟社会ということもあり、例えばフロリダ州の大学では、学生が「オンライン授業は求めていた学習ではない」と主張し、集団訴訟が始まっている。きちんとした教育を提供しなければいけないというプレッシャーもあるようだ。

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