結局、首都圏の鉄道利用者はどのくらい減ったのか(1/4 ページ)
新型コロナウイルスの感染拡大によって、鉄道利用者が大幅に減った。首都圏の利用者数はどのくらい減ったのか。また減ったことで、未来の鉄道事業はどうなるのか。
いつ収束するかが予想できない新型コロナウイルス。「緊急事態宣言」が出てから、在宅勤務を推奨されるようになり、鉄道に乗車する人は大きく減った。それでも、ラッシュ時にはたくさんの人が乗っているので、どれだけ減ったのかが気になってくる。
普段のラッシュ時の乗車率は公開されていて、また最近の利用状況も東京都が発表している。そのあたりを踏まえ、現状の利用状況を推定してみたい。
都営地下鉄の利用状況が公開
東京都は、都の新型コロナウイルス関連サイトで、都営地下鉄の平日利用者数の推移を公開している。1月20日から24日までの都営地下鉄4路線の自動改札出場数の平均値を基準として算出した相対値だ。
新型コロナの感染が広がり始めた3月2日から6日にかけては、時差通勤の呼びかけもあったからか、6時30分から7時30分は少しだけ上がっており、ピーク時の7時30分から9時30分はおよそ20%以上下がり、また9時30分から10時30分の遅い時間帯の通勤客は、10%程度下がっている状況だった。背景には、文部科学省から全国の小中高校などへの臨時休校の要請があった。学校はどうしても時間をずらすことができないので、その時間に通えなくなった生徒の減少が大きく響いている。
その後、6時30分から7時30分までの利用者や、9時30分から10時30分までの利用者も下がっていった。
大きく下がり始めたのは、3月30日から4月3日の期間である。このころから在宅勤務が広まり、6時30分から7時30分までの時間帯は10%程度減、7時30分から9時30分までの時間帯は34%程度減、9時30分から10時30分までは30%減という状況になった。
4月7日には政府から東京など7つの都府県に緊急事態宣言が出された。ここからは大きな減少を見せており、4月13日から4月16日にかけては、6時30分〜7時30分が40%程度減、7時30分〜9時30分、9時30分〜10時30分が65%減と、利用者は大きく減っていった。4月20日から23日にかけては、6時30分〜7時30分が45%程度減、7時30分〜9時30分、9時30分〜10時30分が68%減と、さらに利用者は減った。
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