結局、首都圏の鉄道利用者はどのくらい減ったのか(2/4 ページ)
新型コロナウイルスの感染拡大によって、鉄道利用者が大幅に減った。首都圏の利用者数はどのくらい減ったのか。また減ったことで、未来の鉄道事業はどうなるのか。
都営地下鉄の普段の状況は?
では、都営地下鉄は普段どのくらい混雑しているのだろうか?
『数字で見る鉄道 2019』(運輸総合研究所)でまとめられている国土交通省鉄道局の資料によると、都営浅草線はピーク時の最も混雑している区間、本所吾妻橋→浅草間の輸送力は2万3040人であり、輸送人員は3万576人、混雑率は133%だ。そこから68%減少するとなると、普段の32%となり、42.56%。余裕で座れる状況だ。
同じような計算を他の都営地下鉄にもしてみよう。都営三田線は西巣鴨→巣鴨間で1万6800人の輸送力、2万6546人の輸送人員、混雑率は158%。現状では定員に比して50.56%という状況になっている。定員の半分の乗車だ。ただ、平日でも空いている時間はこんな感じだろう。
通勤電車の車両定員は座っている人だけでなく、立ち客も含めて決まっている。
都営新宿線は西大島→住吉間で2万2960人の輸送力、3万5861人の輸送人員、混雑率は156%。定員に比して49.92%となっている。都営大江戸線は中井→東中野間で1万5600人の輸送力、2万4726人の輸送人員、混雑率は159%、定員に比して50.88%となっている。
乗車は定員を大幅に下回るものの、定員の状態は座席に座るか、つり革につかまる、もしくはドア付近に立つことができる状態である。そこから考えてみよう。
ある程度座る人がいて、たまに立っている人がいる程度だ。これは、新型コロナの感染拡大を防止するため、ソーシャルディスタンスを保つためには必要なことである。従って、列車の本数を減らすわけにはいかないのだ。
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