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SaaSとAPI連携がバックオフィスを変える理由:本当に効率を上げるためのSaaS(2/5 ページ)
日本企業では、1社あたり平均して20種類のSaaSを使っているといわれている。そのデメリットは、データが各SaaSに点在してしまい、管理や運用が煩雑になることだ。それを防ぐためにSaaS間の連携を行うための仕組みがAPIだ。APIによって外部のソフトウェアと簡単に連携できるからこそ、得意領域に特化したSaaSが増えている。
広がるAPI連携
APIは「Application Programming Interface」の略で、ソフトウェアとソフトウェアをつなぐための仕様を指す。ソフトウェアの一部を外部に向けて公開することにより、機能の共有や、データの参照や更新などを行える。
例えばスマホアプリでは、地図機能はGoogle MAPに、カレンダー機能はGoogle Calenderと連携した仕様になっているものが多い。これもGoogleがAPIを外部に公開して自由に使用できるために可能になっている仕組みだ。
APIを利用することで、アプリ開発企業はゼロから地図やカレンダーの機能を開発する必要がなくなるため、開発にかかる時間とコストを大きく削減できる。
SaaSもWeb APIを用意した上で、連携アプリを集めたアプリストアを開設するのがスタンダードになりつつある。みなさんのスマホにもさまざまなアプリがインストールされていると思うが、ほとんどがGoogleやAppleのアプリストアからダウンロードしたもののはずだ。
SaaSにおいても、各社がAPIを公開し、さまざまな連携アプリが用意されることで、簡単にSaaS間の連携ができるようになっている。
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