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「日本人なら国産」のこだわりが、”マスクパニック”を再燃させてしまうワケ:スピン経済の歩き方(3/6 ページ)
「ドラッグストアでマスクを買うことができたよ。『MADE IN CHINA』だけどね」といった人が増えてきたのでは。その一方で、「マスクは国産でなければいけない」という人もいるわけだが、こうした考え方に筆者の窪田氏は警鐘を鳴らしている。なぜかというと……。
これまで以上に「中国依存」が強まっていく
では、どこから引っ張ってくるのかというと、やはり中国である。
日本不織布協会の「不織布の輸出入推移2018」によれば、不織布の輸入は右肩上がりで増えていて、11年にはおよそ12万トン程度だったものが18年には約25万トンと2倍にはねあがっているのだ。しかも、そのうちの46.8%(11万7000トン)は中国からの輸入だ。2番目に多いタイは3万3000トン(シェア13.3%)。なぜここまで差がつくかというと、「安くて品質がいい」からだ。
もうお分かりだろう。国産マスクが産業として活性化していくことは結局のところ、中国産の不織布をめぐる調達競争が激化して、これまで以上に「中国依存」が強まっていくだけなのだ。
こんな状態で再び新型コロナの世界的感染拡大が起きたらどうなるか。国内のマスク工場は人も機械もあるが、中国から原材料が入ってこないので操業を停止するしかない。つまり、せっかく「国産マスク」の生産体制があるにもかかわらず、稼働できないというお粗末なことになってしまう恐れがあるのだ。
「そんなバカなことが起きるわけがない」と失笑する方も多いと思うが、同様の問題がこの国を代表する産業で起きている。そう、自動車だ。
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