マクドナルドに何が? 4月の客数は“減少”でも客単価が“大幅増”:大手外食チェーンはほとんど苦戦(1/2 ページ)
4月は新型コロナの影響で多くの外食チェーンが苦戦した。マクドナルドの既存店客数は減少したが、既存店客単価は大幅増だった。その背景とは?
新型コロナウイルスの影響で、4月はほとんどの外食チェーンが大きな苦戦を強いられた。しかし、日本マクドナルドホールディングスが5月7日に発表した実績は驚くべき結果だった。
4月の既存店客数は対前年同月比18.9%減だったが、既存店客単価は31.4%増で、既存店売上高は6.5%増という結果となった。政府や自治体の自粛要請を受け、マクドナルドは店内客席の終日利用中止、営業時間の短縮、閉店といった対応をしたので、客数が大きく減る結果となった。
外食チェーンの4月の実績と比べると、客単価がここまで増加しているのは珍しい。大手回転寿司チェーンのスシローを運営するスシローグローバルホールディングスは、家族向けのテークアウト商品を強化した影響もあり、4月の既存店客単価は22.7%増だったが、その他のチェーンではほぼ横ばいというケースが目立つ(5月12日時点)。
なぜ、マクドナルドの客単価はここまで増えたのか。広報担当者は、さまざまな要因や取り組みが影響しているため「一概に何が原因と決定づけることは難しい状況」としたうえで、次のように説明した。
客席の利用中止をした影響で、売り上げに占めるテークアウトやドライブスルーの比率が増加した(ドライブスルーに対応しているのは全国2900店舗中、約1500店舗)。そして、マクドナルドでは客数を会計ベースでカウントしているため、複数人数分を1回の会計で購入するケースが増えると客単価が増加する傾向にあるという。
つまり、多くのお客が外出を自粛している状況で、家族の分をまとめて購入するケースが増えた結果、客単価の大幅増につながったと推測できる。
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