“市場規模1000億円”の「青汁事業」から「ケール事業」へ転換 キューサイ社長に聞く「ブランドイメージの変え方」(3/3 ページ)
「青汁」の商品イメージが強い「キューサイ」(福岡市)が、ブランドイメージを変えようとしている。「キューサイ=青汁」という長年にわたり消費者に浸透したイメージを変えるのは容易ではない一方、変えなければ同社の事業は先細りになりかねない。青汁の原料である食物素材ケールの持っているパワーを生かして新たな販売戦略を打ち出したいという神戸聡社長にその胸の内を聞いた。
飲みやすさにこだわった青汁で市場開拓
――新商品として何があるのか。
昨年の10月にスキンケア商品の第二ブランドとして、ケールの力で肌に潤いを与える「Skinkalede」(スキンケールド)を売り出した。また、ひざサポートコラーゲンは6月ころ春パッケージをリニューアルする。
3月からは骨の健康に役立つ2つの成分を配合した機能性表示食品「骨カラキレイ」を発売し、4月1日からは、青汁嫌いな「キューサイ」の社員が作った新商品「ケールdeキレイ」を発売した。「飲みやすさ」にこだわった青汁を売り出して新規顧客の開拓を目指す。
――資本構成を見るとコカ・コーラ(コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス)が100%の株式を持っているが、経営面への影響はないか。
コカ・コーラは健康志向が強まる中で飲料メーカーとして「キューサイ」に出資しているだけだ。コカ・コーラから経営面の影響を受けることはない。
――将来的な事業として何を目指すか。
当初は健康食品の青汁から出発したが、その後、人の健康寿命を延ばすことに貢献すべく「ひざサポートコラーゲン」を発売し、さらには生活の質向上を目指す「コラリッチ」を売り出した。これからも人の生活の質(QOL)の向上につながる商品を出せるように、社会の変化に対応しながら少しずつ事業内容を変えていきたい。
またペットなど人以外のQOLにも着目し、現在、商品開発を検討している。こうしたことを通じて、地球環境やQOLに対しても何らかの手立てを提供するような商品作りもしていきたい。
関連記事
- かつやが4種類の「全力飯弁当」を750円で販売 テークアウト需要の高まりに商機
かつやは、4月20日から国内店舗「かつや」104店限定で「全力飯弁当」を販売している。外出自粛に伴うテークアウト需要の高まりを受け、同社は「ご自宅での食事をより一層楽しんでいただくため」開発に至ったとしている。 - 「コロナ倒産」の連鎖が始まる――「雇い止め多発」の中小、2159万人の非正規を守れ
人件費負担の大きい飲食店などの経営規模の小さい会社の多くは、パートやアルバイトなど非正規雇用に頼っているケースが多い。こうした店舗で売り上げが「消滅」した場合、泣く泣くパートやアルバイトを雇い止めにするほかない。正規雇用でなければ、仕事がなくなれば時給制のパート、アルバイトは収入を失う。 - ホリエモンが政治家に頭を下げてまで「子宮頸がんワクチン」を推進する理由
ホリエモンはなぜ「子宮頸がんワクチン」を推進しているのだろうか。その裏には、政治に翻弄された「守れるはずの命」があった。 - ホリエモンが北海道で仕掛ける「宇宙ビジネス」の展望――くだらない用途に使われるようになれば“市場”は爆発する
ホリエモンこと堀江貴文氏が出資する北海道大樹町の宇宙ベンチャー、インターステラテクノロジズが5月2日に予定していた小型ロケット「MOMO5号機」の打ち上げを延期した。延期は関係者にとっては苦渋の決断だったものの、北海道は引き続き宇宙ビジネスを進めていく上で優位性を持っており、期待は大きい。そのことを示したのが、2019年10月に札幌市で開かれた「北海道宇宙ビジネスサミット」だ。登壇したのは、同社の稲川貴大社長と堀江貴文取締役、北海道大学発ベンチャーのポーラスター・スペースの三村昌裕社長、さくらインターネットの田中邦裕社長、北海道大学公共政策大学院の鈴木一人教授。 - 「ノーベル賞は過去の栄光」――三菱ケミカルHD小林喜光会長が語る「日本が“2流国”に転落しないための処方箋」
「技術立国ニッポン」が揺らいでいる。AIや5Gなどの先端分野では中国が日本のはるか先を走り、「ものづくり」で高度経済成長を牽引した日本企業の存在感は低下している。そんな中で、日本はどのような科学技術政策を取っていけばいいのだろうか。経済界を代表する論客の一人である小林喜光・三菱ケミカルホールディングス会長(経済同友会前代表幹事)に、日本の技術の現状と求められる対応策を聞いた。 - 快進撃続けるアイリスオーヤマの「おじさん技術者」たち 元「東芝」技術者のもと“テレビ”でも旋風を起こせるか
アイリスオーヤマ初の音声操作可能なテレビを開発するために陣頭指揮を執ったのは、東芝を早期退職してアイリスに入社したテレビ事業部長の武藤和浩さんだ。同社の家電事業部の社員は出身企業が異なる「混成部隊」だ。シャープや東芝出身の40〜50代以上もおり、中には30代で前の会社に見切りをつけてアイリスに移ってきた技術者もいるという。果たしてアイリスの「混成部隊」はテレビ事業でも旋風を起こすことができるのだろうか。 - 午後7時閉店でも店長年収1000万円超え! 愛知県「地元密着スーパー」絶好調の秘密
愛知県東三河地方だけに5店舗しか展開していない「絶好調」のスーパーがある。「社員第一主義」を掲げ午後7時には閉店しているのに、店長の年収は1000万円を超える。その秘密に迫った。 - NEC「新卒年収1000万円」の衝撃 年功序列の廃止か、「3流国への没落」か
NEC、ソニー、NTTコミュニケーションズ、DeNA、富士通……。高い報酬を払ってでも新卒の優秀な技術者を採用したいという機運が高まってきた。年功序列に縛られた日本企業は果たして変われるのだろうか? - マツコが絶賛した予約殺到の「できたてポテトチップ」! “神がかったうまさ”の舞台裏に迫る
1953年創業の小さなポテトチップメーカー菊水堂。同社の「できたてポテトチップ」はマツコ・デラックスが絶賛したことで話題となった。そのおいしさはどのように生み出されているのか。舞台裏に迫った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.