ドイツはどうやって「2日」で助成金支払いを実現したのか? 開発元銀行インタビュー:迅速なシステム構築の裏側に迫る(7/7 ページ)
コロナ危機に対して、ドイツ・ベルリンでは、助成金支給のシステムを2日で開設し、オンラインで申し込むと即座に5000ユーロが振り込まれるという、素早い対応を取った。この仕組みの裏側はどうなっているのか? ベルリンで給付を担当したInvestitionsbank Berlin(以下IBB)へインタビューした。
――最後に、コロナ危機以降の社会はどのように変化していると思いますか?
ホルトカンプ氏 私たち、そして世界中の人々が、もうちょっと長い間、ウイルスと共存する必要が、おそらくあるのでしょう。健康を守るため、ソーシャルディスタンスやマスクの着用など、人々にさまざまな行動パターンの変化が求められます。これに加えて、過去数週間のロックダウンによって引き起こされた、経済的および社会的変化があります。
しかし、しばらくすれば、経済と社会システムは回復すると、私は確信しています。
以上が、IBBのホルトカンプ氏のインタビューである。さて、まず私は読者にお詫(わ)びしなければならない。「2日でシステム用意、即座に5000ユーロ助成金振り込み」は、プラス5日、約一週間の準備期間があったというのが事実だ。
インタビューは、電子メールを通じて行った。ドイツ語でも質問リストはWordで6ページに及ぶ内容であった。ホルトカンプ氏はこの間、とても多忙であっただろう。外国人フリーランス・ジャーナリストの素朴な疑問に答える義務は彼にはないだろう。質問リストを送付してから約3週間回答を待ったが、受け取った回答内容を読みながら、残念ながら日本にはなく、ドイツにはある、とても素晴らしい面をしみじみと感じた。それは、メルケル首相の演説などからも伝わってくる、「誰一人として置き去りにはしない」ための他者への真摯な対応である。
ホルトカンプ氏に感謝する。
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