このままでは潰れる! 小規模ホテルが挑む「シェルター事業」とは:逆境の最中、斬新な試み(3/5 ページ)
新型コロナの感染拡大を受けて、ホテル業界が苦戦している。そんな中で、斬新な取り組みをしている会社がある。株式会社CHILLNNだ。同社が始めた、自宅にいることが安全でない人々に向けた「ホテルシェルター」とは……?
子連れでも滞在しやすく、リフレッシュにも。利用者の声
これまでの利用件数は、HOTEL SHE, OSAKAで11件(5月14日現在)。実際に滞在しているゲストの声を聞いた。
「小学校休校措置と夫の在宅勤務開始で、ストレスが増えていたこと。また、別居を考えているほど夫婦仲が悪いことから利用を決めました。設備やサービスに満足しており、滞在費も予算内でとても助かっています。同じ境遇の人におすすめしたいです。
テイクアウト可能な近隣店舗も豊富で、公園も多く、子連れでも滞在しやすかったです。近隣の移動には、元々契約していたタイムズカーシェアリングを使いましたが、借りられるステーションも周りにたくさんあり、便利でした。
シェルターというと心地よい滞在とは別のイメージを持ってしまいがちですが、今回のような都会の空間をシェルターとして使えるサービスは画期的で、このご時世もあり、今後定着していくと良いなと思います。
自宅でずっと過ごしてる人もこの価格なら、隔離目的ではなくリフレッシュに利用できる施設も増えていくと良いなと思いました」(30代・女性)
自宅が安全ではない人々にとって、予算を抑えて安全に滞在できる場所があるのは心強いに違いない。とはいえ、長期間になれば出費がかさむ。
「ぜひ使いたいけれど予算が厳しい。行政のサポートがあれば……」といった声も聞かれたことから、ホテルシェルター事業への寄付ができるプラットフォームも急きょ立ち上げた。現在、大阪出身のミュージシャン・SIRUPをはじめ、多くの個人や企業が賛同し、寄付が集まっているという。
一連のプロジェクトを進行する中で、行政との連携の必要性を感じ、ロビー活動にも奔走する代表の龍崎氏は、多忙のため取材への対応はかなわなかったが、現状の思いを伝えてくれた。
「世界全体でライフスタイルが大幅に変化し、多くの方々が新しい生活環境になんとか適応しないといけない状況かと思います。新しい生活習慣の中で生まれるリスクやストレスを、ホテルという『生活空間をレンタルできる場所』をうまく活用して回避し、より豊かな生活を送るためにお役立ていただけましたら幸いです」(龍崎氏)
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