マスクの自販機に大行列! グンゼやライトオンも参入して盛り上がるマスク市場:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/5 ページ)
グンゼやライトオンなどがマスク市場に続々と参入している。技術力を背景に機能性の高いマスクを投入。自動販売機でマスクを売り出したところ大行列ができた事例も。
ラグビー日本代表の靴下を製造した老舗も本格参入
靴下メーカーのタイコー(長野市)では、5本指の靴下や手袋をつくる「ホールガーメント」という無縫製で編み上げる機械を使って、4月6日から「アミマスク プロトタイプ」を販売している。
同社は1949年創業。ラグビーワールドカップ日本大会で、日本代表が着用した靴下を製造した実績がある。美容関係の会社からの依頼で、もともと製造していたシルクのマスクを改良して商品化した。
アミマスクの素材は綿100%で、抗菌防臭加工が施されている。価格は1650円で、3サイズを用意した。自社通販サイトのみの取り扱いだったが、発売の1週間ほど前に地元の新聞に報道され、2000枚が5分で売れた。その後、4月27日、30日、5月17日にも販売し、合計1万3000枚ほどに到達している。リピーターが多く、夏には通気性や冷感機能が求められるので、6月から7月にかけて新しい商品を投入する計画だ。
ユニークなところでは、セーターなどを製造するニットワイズ(山形県山辺町)が、3月に山辺町と山形市にマスクの自動販売機を2台設置した。自動販売機ならば、感染のリスクがないと考えたからだ。
当初は全く売れなかったが、3月末に突然ブレーク。1日400〜500枚が売れ、大行列ができるようになった。東京や大阪の親類や友人に送りたいという人も多く並んでいる。夏用として、涼感を高めつつ70回洗えるマスクも販売する。
さらには、マスクの4隅のポケットに保冷剤を入れられるようにした、新発明の冷やしマスクを1個1300円で販売予定。地元で有名な「冷やしシャンプー」に続き、山形の猛暑を乗り切る名物にしたいと同社では意気込んでいる。今後、自社ECサイトの他、商社経由で大手量販店や海外にも販路を開拓する。
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