1日で300万円稼ぐ“ドライブスルー魚屋”も登場 コロナ禍で見直された販売形態の魅力:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/6 ページ)
コロナ禍をきっかけにドライブスルーが見直されている。緊急事態宣言が解除された後も、需要がありそうだ。1日で300万円を稼ぐ“ドライブスルー魚屋”も登場している。
ドライブスルーの肉屋や魚屋が人気
港湾に近い倉庫街や卸売市場の一角で、ドライブスルーの八百屋、肉屋、魚屋を開設して、成功する例も続出している。緊急事態による飲食店の営業自粛で、大量に売れ残った食材を、廃棄するのでなくて、何とか消費者に届けられないかと生産者支援の視点で企画されたものだ。
約4500店の外食向けに青果卸を営むフードサプライ(東京都大田区)では、4月9日から東京と千葉の物流センターで、自社農園や契約農家から仕入れた野菜をドライブスルーで販売。鮮度が高く、接触が少なく安心して買えることから人気が高まり、全国16カ所にまで拡大している。1日に1会場で300セットくらいが売れる。
ネットや電話で予約を受け付け、取りに来てもらうスタイルだが、在庫があれば当日でも買える。決済は、当日に現金で行う。開催日は、週に1〜3回で土曜日が多い。価格は、旬の野菜20品目に、卵やお米5キロが付いて5000円。米なしだと3500円。商品は段ボールに詰められ、卸売価格で提供。車が到着すると、スタッフがトランクまで段ボールを運んでくれるので楽だ。
都内にある京浜島の自社工場で、ドライブスルー肉屋を営むのは、業務用卸のコダマ(東京都大田区)。自粛の影響で外食への出荷が減ったが、賞味期限の短い食材を廃棄するのではなく、消費者に味わってもらいたいという趣旨で始めた。5月1日に開始し、6月までは週に3回開催していたが、7月からは週末1回に変更する。価格は3.4キロ以上のハムやソーセージなどが入って4000円。手作りパンのサービスもある。
関連記事
- “アベノマスク”は不要? アパレル大手の夏向けマスクが軒並み好調なワケ
新型コロナの影響でアパレルチェーンが苦戦している。一方、各社は相次いでマスクの製造・販売に乗り出している。技術力を背景にした機能性が支持されている。 - スシローとくら寿司 「価格帯」と「シャリ」から見えた戦略の“決定的”な違いとは
大手回転寿司チェーンのスシローとくら寿司。標準的な寿司の重さはほぼ一緒。しかし、価格とシャリの違いから戦略の違いが見えてきた。 - 「生ビール190円」の原価率は85%? お客が3杯飲んでもしっかり利益が出る仕組みとは
「生ビール1杯190円」という看板を見かける。安さでお客を引き寄せる戦略だが、実は隠されたメリットもある。どんな狙いがあるのか。 - レゴランドってそんなにひどいの? 家族を連れて行ってみた
「隣接する商業施設からテナントが撤退」「水筒の持ち込み禁止」などのニュースで注目を浴びているレゴランド。ネット上では酷評する声もあるが、実際はどうなのだろうか。記者が家族を連れて遊びに行ってみた。 - 新型コロナが“あの”外食チェーンを直撃 一方で松屋、スシロー、鳥貴族が順調なワケ
新型コロナウイルスの感染が広がる。外食チェーンへの影響はどうなっているのか。各社の最新動向を探った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.