「感染リスクが高い」と指摘されても「バイキング」を続々再開 その執念と感染予防策に迫る:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/5 ページ)
コロナ禍で自粛していた「バイキング」が続々と再開されている。一方で「感染リスクが高い」という声もある。各社は悩みながらも徹底した対策をしている。
すたみな太郎としゃぶ葉の運営会社に聞く
新しい生活様式に対応しようとする外食各社の状況はどうなっているのか。
すたみな太郎などを運営する江戸一(東京都足立区)のレストランは、他の飲食店に先駆け、3月から営業を自粛。新型コロナの感染拡大防止に協力的な姿勢を示してきた。
4〜5月にかけて、緊急事態の期間中は再度の自粛を行い、既に閉店した12店に加えてさらに3店、計15店の閉店が決まった。現在も基本、夜間は1時間の時短営業をしている。
店内でのコロナ対策として、顧客の入店時にはアルコール消毒を実施。可能な限り、他の顧客との間隔を空けた席に案内する。商品を取るトングはまめに交換・洗浄を行う。肉、寿司、デザート、ドリンクなどといった食品が並んでいるバイキングコーナーでは、混雑しないように声掛けを行う。ドアノブ、ドリンクバー、座席、テーブルなど、人が手を触れる箇所は頻繁に消毒している。
また、従業員には高頻度のアルコール消毒と手洗いを実施。体調管理を徹底し、マスクを着用させている。一般的なレストランが行っている対策を、きちんと実施している印象だ。
すかいらーくレストランツが経営するしゃぶ葉は、しゃぶしゃぶビュッフェで人気を博し、全国で274店を展開する。この店では、だしが入った鍋や、肉のお代わりはボタンを鳴らして店員に持って来てもらう。一方、野菜、たれ、薬味は顧客が自分で取りに行って、好きなものを選べるバイキング方式になっている。
緊急事態の期間中は営業時間を短縮していたが、7月1日からは「ガスト」などと同じく閉店時間を午後11時30分に変更した。出入口にアルコール消毒液を置き、顧客は手指を消毒して入店するようになっている。
バイキングコーナーには、飛沫防止のビニールシートを設置。また、マスクとナイロン手袋の着用を要請している。顧客が使うトングは定期的な交換・洗浄を実施している。
店内換気は、家庭用エアコンに見られる「循環型」ではなく、「換気型」のエアコンを設置。1時間に9回、空気が入れ替わる。
このように、飛沫防止シートと換気の良い業務用エアコンが、ポイントとなっている。
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