「感染リスクが高い」と指摘されても「バイキング」を続々再開 その執念と感染予防策に迫る:長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/5 ページ)
コロナ禍で自粛していた「バイキング」が続々と再開されている。一方で「感染リスクが高い」という声もある。各社は悩みながらも徹底した対策をしている。
サラダバーの対応は?
サラダバーを、サービスの一環として取り入れているチェーンも感染予防策に懸命だ。
ゼンショーグループのハンバーグ&ステーキレストラン「ビッグボーイ」は、系列を含めて全国で310店ほどを展開しているが、政府の要請を受けて3月5日からサラダバーを休止。代わりに、野菜を山盛りにした150円の単品サラダを2種類提供していたが、同月24日に復活した。
復活に際しては、ビニールカーテンを設置。消毒液を設置し、希望者には使い捨て手袋を用意した。トングやレードル(おたま)は頻繁に交換。また、顧客の入店時にはマスク着用と咳エチケットを要請している。
ステーキハウスとして約130店を展開する「ブロンコビリー」では、店内のオープンキッチンでつくるサラダバーに定評があり、これを目当てに来店する常連も多い。
同チェーンでは、サラダバーにコンビニのレジで見るような透明なカーテンを掛けており、飛沫を防いでいる。一部の店ではアクリルカバーを設置しており、効果を検証中だ。当初は応急措置としてカーテンを設置していたが、現在は新しい生活様式が定着すると見込んでカバーを導入している。これは、真摯(しんし)な取り組みだろう。
また、アルコール消毒用のポンプをサラダバーに設置。トングやレードルは、15〜20分に1回を目安にして、高頻度に交換している。
ロイヤルホールディングス傘下のR&Kフードサービス(東京都世田谷区)が展開するシズラーは、プレミアムサラダバーとグリル料理のレストラン。世界5カ国と首都圏で10店舗を展開している。
ゴールデンウイークには休業していたが、明けてからはグリル料理のみで営業。6月に入ってからサラダバーを再開したが、紙に書かれたリストにチェックをして注文する「オーダーバイキング」に変更していた。そして、6月22日から通常のバイキングに戻している。
サラダバーにはもともと、異物が混入しないようにガラスの「スニーズガード」と呼ばれる屋根状の防護が付いている。現在は、それに加えて手元の少し前までビニールのカーテンを設置している。
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