マックがコロナ禍でも好調なのは大手ファストフードだから? 公式アプリ「6600万ダウンロード」の本質:飲食店を科学する(1/4 ページ)
マクドナルドの業績は好調だった。その理由は持ち帰りに適した業態だったからなのだろうか。筆者は他を圧倒する公式アプリのダウンロード数に注目する。
飲食店を科学する:
【飲食店コンサルタントが解説】立地、メニュー数、原価率、回転率、利益率―飲食店の経営には、数字やロジックを積み上げて戦略を練る作業が欠かせない。人気になっているチェーン店や、すっかり定着しているが業態の裏側にあるノウハウを分析していく。
飲食店コンサルタントの三ツ井創太郎です。外食産業はまだまだ厳しい経営環境が続いていますが、今回はそんなアフターコロナの状況下でもV字回復している企業の事例を学んでいきたいと思います。
コロナ禍でも売上高対前年比115%を達成したマクドナルド
まず、外食産業における2020年5月度の売り上げ状況(売上高対前年比)を見てみましょう。
マクドナルドホールディングス(ファストフード):115%、吉野家ホールディングス(牛丼):92.7%、スシローグローバルホールディングス(回転寿司):81.4%、すかいらーくホールディングス(ファミリーレストラン):52.2%、鳥貴族(居酒屋):12.1%、ワタミ(居酒屋):7.2%となっています。
ファストフードや牛丼など、テークアウト対応型の業態は80〜110%で推移しています。回転寿司やファミリーレストランといった食事動機の業態は50〜80%であり、鳥貴族やワタミといった繁華街を中心に展開する居酒屋業態は10%前後と全国的に非常に厳しい状況となっています。
最新の6月度のマクドナルドの売上高は前年比96.8%となっていますが、あらためて3月以降のコロナ禍における各社の実績を見てみましょう。マクドナルドの5月度における「115%」という実績が突出していることが分かります。
「マクドナルドはファストフードだから当然」とも言えます。しかし、コロナ禍でもマクドナルドが強かった理由は本当にそれだけなのでしょうか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
スシローとくら寿司 「価格帯」と「シャリ」から見えた戦略の“決定的”な違いとは
大手回転寿司チェーンのスシローとくら寿司。標準的な寿司の重さはほぼ一緒。しかし、価格とシャリの違いから戦略の違いが見えてきた。
僕らのヒーローだったジャッキー・チェンが、世界で嫌われまくっている理由
香港アクション映画の象徴的存在、ジャッキー・チェンのイメージダウンが止まらない。隠し子である「娘」の振る舞いや、自伝で語られた「ダメ人間」ぶりなどが欧米やアジアで話題になっている。私たちのヒーローだったジャッキーに何が起きているのか。
「もう、諦めるしかない」 中高年化する就職氷河期世代を追い込む“負の連鎖”
40歳前後になった「就職氷河期」世代に対する支援に、国を挙げて取り組むことを安倍首相が表明した。しかし、就職時の不況や非正規雇用の拡大など、さまざまな社会的要因によって追い詰められた人たちの問題は根が深い。実効性のある支援ができるのか。
ミニストップ「おにぎり100円」がもたらした“意外な変化”
ミニストップが7月に始めた「おにぎり100円」施策。主力商品のおにぎりを最大30円値下げした。開始から3カ月がたち、効果はどれほど出ているのか。また、“100円”という値決めは成功なのか。狙いや現状について聞くと、意外な変化も見えてきた。
松屋の魅力は券売機!? 人手不足時代に吉野家とすき家が導入しない理由とは
大手牛丼チェーン3社のうち券売機を導入しているのは松屋だけだ。生産性向上の切り札である券売機を吉野家とすき家は導入していない。各社に見解を聞いてみた。

