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若い人ほど早くリタイアしたい 日本人の退職準備は楽観的か(2/3 ページ)

フィデリティが行った、勤労者を対象にした退職準備に関するアンケートによると、日本人の多くが、まだまだ退職後に必要な資金を楽観的に捉えていることが分かった。フィデリティ退職・投資教育研究所の野尻哲史は、「かなり甘く見ている。日本人は楽観的だ」と警鐘を鳴らす。

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若い人ほどスコアが低いのに、「早くリタイアしたい」

 特に厳しいのが20代の若年層だ。日本人全体では「警戒」水準は全体の36%だったが、20代では比率が53%まで高まる。年齢の高い層では、公的年金や確定給付年金などのサポートが見込まれる反面、若年層は見込み難いため、いっそうの自助努力が必要となる。しかし、収入から貯蓄に回す比率を示す貯蓄比率は7%と低く、しかもその運用方法は44%が銀行預金などの元本確保型だ。


若い人ほどスコアが低く、「警戒」水準が半数に(フィデリティ資料より)

 一方で、退職希望年齢は、若年層が最も低く、63歳。「若い人ほど早くリタイアしたいと考えている。50代を見ると、所得が高いほど早くリタイアしようとしていて、これは分かる。しかし、若くなるにつれて、退職希望年齢が若くなっている。もう一つの課題だ」(野尻氏)

 海外と比較すると、退職準備スコアが最も高いのは米国だ。しかし、55歳以上のシニア層でくらべると、日本と米国で大きな差はない。一方で、20〜38歳の若年層では、15ポイントもの差が付いた。その理由は、社会保障や公的年金などのサポート体制の違いが大きい。ただし、資産をどのように運用するかについても国によって違う。

 例えば、日本では銀行預金などの元本確保で運用する人は44%だが、米国では11%に過ぎない。一方で、年齢に連動して株式への投資比率を変更していく「ターゲット・デイト・ファンド」などのライフサイクル型は、日本では2%だが、米国では17%もある。

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