総務のテレワークを巡る「衝撃の数字」 フルリモート実現の急所とは?:「総務」から会社を変える(4/4 ページ)
『月刊総務』編集長の豊田健一氏による、総務とDXを巡る連載。総務のテレワークに関する調査で明らかになった衝撃の数字を基に、総務のフルリモートを実現するための急所はどこにあるのかを解説する。
戻ることはできないし、すべきではない
ひところ騒がれていたペーパーレスの流れは、フリーアドレスによって加速した。固定席がなくなり、フリーアドレスに移行すると、机に書類を置いたままにできない。さらに、袖机やワゴンがなくなり、あてがわれるロッカーも1人1個、それもかなり小さめのものだ。不要な書類を捨てて、必要な書類は電子データ化しないと収納しきれない。
ただ、管理部門系、こと総務においては、申請類の種類や契約書等が残り、完全なるペーパーレスが実現できずにいた。しかし、今回は、命の危険があるという、前代未聞の強制在宅勤務の実施。総務だけは在宅勤務は除外、そのようなわけにはいかない。そこで慌てて対応した企業も多かったであろう。
意識して欲しいのは、このような感染症パンデミックは、今回限りではないということ。専門家に言わせると、5年おきにやってくるという説もある。さらに強力なウイルスが出現する可能性もなきにしもあらず。次に同様のパンデミックが来てしまったら……。「なぜ、2020年の新型コロナの際に対応しておかなかったのだ!」と、絶対にいわれるはずである。
たとえ、世の中が元に戻ろうとも、総務の現場では決して戻ることなく、次に備えたペーパーレスの実現、さらには総務における完全リモートワークができる体制は、是が非でも整えておく必要があるのだ。
著者プロフィール・豊田健一(とよだけんいち)
株式会社月刊総務 代表取締役社長 『月刊総務』編集長
早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルート、株式会社魚力で総務課長などを経験。現在、日本で唯一の管理部門向け専門誌『月刊総務』を発行している株式会社月刊総務の代表取締役社長、『月刊総務』の編集長。一般社団法人ファシリティ・オフィスサービス・コンソーシアムの副代表理事や、All Aboutの「総務人事、社内コミュニケーション・ガイド」も務める。
著書に、『マンガでやさしくわかる総務の仕事』(日本能率協会マネジメントセンター)、『経営を強くする戦略総務』(日本能率協会マネジメントセンター)
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