LINE Payチャージ、キャッシュアウト 東急は券売機で何をしたいのか?:独自の戦略(3/4 ページ)
いまやキャッシュレスの時代になったので、駅の券売機がなかなか使用されなくなった。そんな中で、券売機を通じて新たな試みを始めているところがある。東急電鉄だ。
券売機で1万円札を引き出せる
2019年5月8日から、東急は横浜銀行やゆうちょ銀行、GMOペイメントゲートウェイと協力し、東急線各駅(一部を除く)の券売機で預貯金の引き出しができる、キャッシュアウト・サービスを開始した。といっても、券売機にキャッシュカードを投入すればお金が引き出せる、というものではない。
横浜銀行とGMOペイメントゲートウェイは、「銀行口座と連動したスマホ決済サービス」の仕組みを開発した。その仕組みを利用し、駅の券売機でキャッシュアウト・サービスを行う。
横浜銀行の「はま Pay」、あるいはゆうちょ銀行の「ゆうちょ Pay」で引き出し金額を入力し、スマートフォンにQRコードを表示させ、券売機にある読み取り部にかざすことで、1万円札を出金することができる。1万円札は1枚から3枚まで出金することが可能だ。
横浜銀行は神奈川県内を中心に展開しているので、どうしても東京都内に支店やATMは少ない。ゆうちょ銀行は全国各地に支店やATMがあるものの、駅のすぐ近くにないケースが目立つ。両銀行を利用している多くの人は、こうした不便さを感じているはずなので、この新たなシステムは便利である。ちなみに、手数料は無料だ。
この事業も担当する八巻氏は、「駅は生活の中心であり、お客さまのニーズの変化に対応し、安心、安全にご利用いただける場所でありつづける必要があると考えています」とした。その駅において、「キャッシュレス化が進むと手元に現金がない状況が多くなり、いざというときに困ることも想定されます。駅に行けば現金を下ろせるという安心感をお客さまに提供することで、日本のキャッシュレス化の推進に、駅という場を通じて貢献し続けたいと考えています」とサービス発表時に述べている。
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