台頭する“グレー”クレーマーの生態 悪質な苦情にどう対処すべきか:世界を読み解くニュース・サロン(1/4 ページ)
インターネットの普及で企業のクレーム対応は難しくなっている。最近は反社会的勢力による被害が減る一方、一般の消費者が迷惑行為をしてしまう“グレー”なクレームが増えた。どう対処すればいいのか。法律や対処後のフォローを念頭に置いた対応が効果的だ。
客からのクレーム――。
言うまでもなく、クレームとは商品やサービスに問題があった場合の苦情のことだが、これは世界中どこにでも存在する。米国などでは「クレーム」というより「complaint(コンプレイント)」という言葉がよく使われる。
ビジネスをする上で、クレームは最近、特に重要な要素となっている。何か気に入らないことがあれば、もともと店などに直接文句を言っていたクレームが、電話による対応が普及するとさらに手軽で過激に行われるようになった。そして今はインターネットが広く普及し、客が大衆に向けて声を上げる力をもつようになったことで、対応する側もこれまで以上にクレーム対応が難しくなっている。
クレームやその対応が炎上でもしようものなら、企業へのダメージは計り知れない。SNSをチラつかせて脅しをかける消費者も増えている。一方で、商品やサービスが気に入られれば、それがネットで拡散される場合もある。
米国の調査では、不満を持った客のうち13%はその文句を15人以上に共有することが分かっている(参考リンク)。一方、クレームを入れる客は、不満のある25人中1人だけにすぎない。要するにクレームを入れる可能性がある人は、いま実際にクレームを入れている人以上に断然多いと言えそうだ。
日本ではいま、非常に悪質である「ブラック」なクレームは減少傾向にあり、常識的なクレームをする「ホワイト」なクレーマーがブラック方向になっていく「グレー」のクレーマーが顕在化しているという。クレーム対応の鍵を握るこのグレー・クレーマーとはいったいどういう人たちなのか。そして、どう対処すべきなのか。
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