吉祥寺でステーキ戦争勃発 「いきなり!」「やっぱり」「ステーキ屋松」の決定的な違いをプロが分析:飲食店を科学する(2/7 ページ)
沖縄発の「やっぱりステーキ」が東京・吉祥寺に進出。この地には「いきなり!ステーキ」と「ステーキ屋松」がある。プロが3店舗を分析して分かった決定的な違いとは?
松屋運営会社の再チャレンジ
いきなり!ステーキのことは、皆さまもうご存じかと思いますので、ステーキ屋松の概要を解説します。
牛丼チェーン店「松屋」を運営する松屋フーズホールディングスが、19年3月に東京・三鷹に1号店をオープンさせた新業態のステーキ店であり、現在は東京の三鷹、下北沢、吉祥寺に3店舗を展開しています。同社は1982年にステーキ業態を1店出店しましたが、88年に閉店しています。ステーキ屋松の展開は「大手外食企業が再チャレンジするステーキ業態」ということでその動向が注目されています。
今回、3店舗の違いが分かるように、筆者が実際に1日かけて吉祥寺にある3店舗のお店を訪問して分析を行いました。
いきなり!ステーキは納得の肉質
最初に訪れたのはいきなり!ステーキです。お店は吉祥寺駅から商店街を2〜3分歩いた場所にあります。訪問したのは夕食時の午後6時でした。21席ある席数は80%程度埋まっている状態で、1人で利用するサラリーマンの方が大半でした。4人のスタッフ全てが外国の方で、皆さんテキパキと仕事をしていらっしゃいました。
私がオーダーしたのは「ミドルリブステーキ200g」(1452円)。同店ではスープやごはんなどは別売りとなっていますので、「スープ&ライスセット」(385円)を付けて、支払い合計金額は1837円です。テーブルにはさまざまな種類のソースなどが置かれており、自分好みの味でステーキを楽しめます。また、自分の好みの量を注文できる「オーダーカット」も大きな特徴です。
複数の口コミサイトなどを見ると、同店の肉質を評価する書き込みを多く目にします。私も実際に食べましたが、価格に対して納得の肉質でした。
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