ソフトバンクと佐川急便が「自動走行ロボット」での配送実験、9月以降に実施:非接触の配送サービスを目指す
ソフトバンクは佐川急便と共同で、自動走行ロボットを活用した配送サービスの実証実験を行うと発表。実施は9月以降の予定で、東京都港区の竹芝エリアで行う。物流業界の人手不足の解消と、新型コロナウイルス感染防止の観点から、非対面・非接触の配送サービスの実現を目指す。
ソフトバンクは9月2日、佐川急便と共同で、自動走行ロボットを活用した配送サービスの実証実験を9月以降に実施すると発表した。実験は、街全体で最先端技術を活用する「スマートシティ」構想に取り組む東京都港区の竹芝エリアで行われる。物流業界の人手不足解消と、新型コロナウイルス感染防止の観点から、自動走行ロボットを用いた非対面・非接触の配送サービスの実現を目指す。
実証実験では、ソフトバンクと佐川急便が屋外と屋内の2つのルートを使って、技術面や実用性を検証する。屋外では、自動走行ロボットが信号機の表示に従って交差点を横断したり、公道を安全に走行したりできるか実験する。また、配送中の荷物の温度変化や、走行中に加わる衝撃についても検証を行うという。
屋内の実験は、ソフトバンクが新本社として入居する予定の「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」(東京都港区)を活用する。自動走行ロボットがエレベーターを使って別の階へ荷物を配送できるか実験を行う。さらに、オフィスビルや商業施設でロボットを使った自動配送がどれだけ効果的なのか検証するという。
ソフトバンクの広報担当者は今回の取り組みについて、同社が目指す「通信事業を超えた幅広い分野に新しい技術を提供する『Beyond Carrier』戦略の一環」だと話す。実証実験の結果を踏まえ、自動走行ロボットを使った配送サービスの早期実現を目指すとともに、新たな事業に応用できるか検証を進めたいとしている。
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