コロナ時代の「オフィス再構築」が、ただ「縮小」では終わらない理由 総務にとってチャンスか、ピンチか:新連載・総務プロの「攻めと守り」(3/3 ページ)
2001年前後のITバブル、08年のリーマンショックなど、環境変化が起きると必ずといっていいほど、オフィスの再構築が起きてきた。新型コロナが引き起こした「オフィスの再構築」も定番の流れといえるが、特殊な側面もある。
リーマン危機の際には経営の判断とそのインプットをベースに、例えば、社員リストラプランやビジネス戦略と連動する形で、オフィスの賃貸借契約、定期借家契約と普通借家契約の見直し、コスト削減などを行うことが総務の仕事でした。つまり変数は1つです。
しかし今回のコロナ危機の場合は、経営の変革に加え、ユーザー側の変革も同時に起きているので、変数は2、さらにはソーシャルディスタンス、ニューノーマルといわれる行動様式の変化まで配慮すると、変数は3、4と増えています。だから難しいのです。こうした経験したことのない難しさは、総務にとってピンチでしょうか。
何でも屋でもあり、火消し役でもあるといわれるのが総務であり、会社経営の長い期間の中で、どの部門にも単独で任せられないような事象やニーズが発生したときに、まず対処を求められるのが総務です。環境対応、危機管理、コンプライアンス、CSRなど今となっては主流となった職務もその例です。
経営から見たら、専門部署ができるまでの立役者はまさに総務の仕事なのです。つまり総務が今、「経営から注目されている」ということです。これをピンチと考えるか、チャンスと考えるかは、総務の皆さま次第です。持ち前の「火事場のばか力」を出すチャンスなのです。
では、どのようにしてこの数十年に一度くるかこないかのチャンスを生かすことができるのでしょうか。
本連載では、総務の多岐にわたるジョブと今後の進化の方向性、今回のチャンスをものにするために自分が取るべき行動、他社の単なるまねではなく、外部の知見を生かしながら自分の会社に合った解決策を探る方法など、具体的に読者の皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
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