コラム
「金太郎アメ的なゼネラリスト人材」育成が目的ではなくなる──デジタル時代の人事部門に求められる「3つの能力」:有識者が語る(3/4 ページ)
デジタル時代の到来は、日本企業の伝統的日本型人材マネジメントシステムだけでなく、人事部門に求められるケイパビリティ(組織能力)にも変容を迫ろうとしている。
・HRエンジニアスキル
2020年時点ではHRテクノロジー(HRテック)といえば人事業務の効率化、すなわち採用や勤怠管理、人事給与実務領域に関するデジタルやITテクノロジーの利活用が中心である。
一方でこれからの人事部門に求められるのは、人事業務効率化のためのテクノロジー活用スキルだけではなく、ピープルアナリティクスに代表されるような「人材マネジメントの高度化」に寄与できるデータサイエンス、エンジニアリングスキルであろう。
グローバル化が進展するとはいえ、少子高齢化によって日本国内の労働人口は確実に減少するため、恒常的な人材不足状態は基本的に解消されない。変化の激しい環境における人材戦略の基本スタンスは、ヒトの持つ能力、スキル、ポテンシャルを見定めて、パフォーマンスを最大化するジョブやチームにアサインすることである。
ここでいう「ヒトの持つ能力、スキル、ポテンシャルの見極め」に関して、能力・スキルの定義やその見極め方法、そしてどのジョブやチームで成果を出すためにはどんな能力・スキルが必要なのかに関しては、複雑で未解明な部分が多く、逆にいえば広大なチャレンジ領域が存在する。
また、いわゆるジョブ型人事制度への移行トレンドに伴って、今後はデジタル人材に限らず、外部市場価値と報酬水準を連動できる処遇制度の設計や運用が必要となってくる。そうした制度をエンジニアリング(設計)できる能力が今後も不可欠となる。
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