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完全無借金だったサイゼリヤがコロナ禍で下した決断 すかいらーくとの違いとは:決算書を比較(2/4 ページ)
飲食業界の2大企業であるすかいらーくHDとサイゼリヤ。両社の経営スタイルにはどんな違いがあるのか。決算書を分析。
両社の違いは
まずは2社の売上高と売上原価です。連結ベースで2社の数字は次の表のようになっています。
すかいらーくHDの売上高がサイゼリヤの2倍近くありますが、これは街中で見かける両社の店舗数や値段設定を考えればおおよそ合点がいく数字だと思います。
売上総利益を売上高で割った売上高総利益率を見てみると、すかいらーくHDのほうがサイゼリヤよりも5%ほど高いことが分かります。売上高総利益率は、どれだけの利益を乗せて商品(今回の場合は料理)を提供しているのかということが分かります。単純に考えればすかいらーくHDのほうがより少ない仕入れでより高い売上高を上げているということです。たかが5%の違いですが、無視できない数字です。
両社に差がある原因は、次のように考えられます
- すかいらーくHDのほうが料理に利益を多く乗せられている(原価率が低いなど)
- すかいらーくHDは多ブランドでやっている分、扱う食材が多く、仕入れの際のボリュームディスカウントが効いている
- そもそもの原価計算の違い(原価に入れる項目の違い)
これだけ大きな企業同士なので単純な判断はできませんが、少なくとも、数字上はすかいらーくHDのほうが効率的な経営ができているということです。
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