属人化、在宅勤務、人手不足……課題山積の経理部門、何から手を付ける?:総務・人事・経理Weekの講演から探る(2/5 ページ)
業務の属人化、在宅勤務による生産性の低下、繁忙期の人手不足など課題が山積する経理部門だが、どう解決すればいいのだろうか。CSアカウンティングの中尾篤史社長による「経理部門の働き方改革のススメ〜業務効率を上げるテクニックを伝授〜」の講演からヒントを探る。
例えば、社内から出ないとアクセスできない独自システムでは在宅勤務ができないので、クラウドに移行する必要がある。紙の持ち出しを禁止するなら、ペーパーレス化も行わなければならない。生産性を上げるなら、入力作業を自動化すれば作業量を削減できるだろう。こうしたシステムを働き方改革の一環として導入していた企業では、スムーズに在宅勤務へシフトできたようだ。
経理にありがちな属人化も、ITシステムで解決できる。業務が属人化するとブラックボックス化して引き継ぎができず、他者の業務と比較ができないので効率的に仕事をしているかどうかも分からない。1人で作業しているとけん制が利かないので、不正が起きる可能性もある。導入したシステムに沿って業務を組み、マニュアルを作成し、単純作業はRPAで自動化したり、加えて複数人で業務を運用する体制にしたりして、遠隔でもマネジメントできる仕組みを整える。こうしたデジタル対応が、経理特有の課題解消につながるという。
システム活用に必要なのは「使い倒す」こと
しかし、システムに投資をしても、活用できなければ結果は得られない。ゴールにたどり着くには、業務をシステムに合わせて「使い倒す」必要があるという。
中尾氏の話では、大企業でもマスターの設定をきちんとしていないために、集計機能が活用されていないことなどがあるそうだ。すると、後々他のシステムと連携できなかったり、うまく同期が取れなかったりというトラブルが発生してしまう。
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