生産性を高める「健康」と「幸福」 総務が防ぐべき“宝の持ち腐れ”とは?:「総務」から会社を変える(3/4 ページ)
『月刊総務』編集長の豊田健一氏による、総務とDXを巡る連載。コロナ禍の中、いかに従業員の「健康」を維持・増進し、「幸福」へとつなげられるかが総務主導で生産性を高めるカギだと豊田氏は指摘する。
この企業では、もともとゲーマーが使うコミュニケーションツールである常時接続型の音声チャットツールを使い、バーチャル・オフィスを実現しているという。
音声のみのツールなので、常時接続していても顔や姿が見えず、気軽に相談やミーティングをできると好評らしい。また、相談のたびにいちいちURLを共有してオンラインツールを立ち上げる必要もなく、片やちょっとした相談なのにわざわざチャットにテキストを打つ、という手間なく瞬時に声がけできる。完全リモートでも、コミュニケーションの低下を防げているのだ。テクノロジーは進化しており、いろいろなツールがでている。ぜひ、いろいろと探してみるといいだろう。
健康管理もデジタルトランスフォーメーションせよ
こうしたツールを活用し、「健康」に関しても総務主導でデジタルトランスフォーメーションを進めていきたい。カギは、情報の電子化による集中管理である。
今や定期健康診断の結果もデータ化される時代であり、ストレスチェックなどにもいろいろなITツールが出てきている。加えて、各種の健康管理情報をダッシュボード画面で一元管理できるツールも登場した。労働時間の管理もIT化されているので、勤怠管理情報と連携すれば「労働時間と健康の相関関係」も見ることができる。業績、パフォーマンスに関する情報と健康情報を掛け合わせることにより、見えてくるものもあるだろう。
また、その予兆や典型的なパターンを見つけられれば、今度はパターンに当てはまる従業員をデータから抽出することも、IT化により簡単にできる。その該当者に対しては、一斉にメールでアドバイスを伝える、面談の必要性を伝える等の連絡手段もIT化により簡便になっている。結果、総務が行っている健康管理業務の効率性、生産性も向上することになる。1枚1枚紙をめくりながら該当者を探す時代ではない。
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