外食チェーンが郊外に簡易型店舗 から揚げやたこ焼きに商機見いだす:「近づけない、集めない」 時代を生き抜く、企業の知恵(1/2 ページ)
商業施設や都心部などの飲食店が苦戦している一方で、郊外などの“密”になりにくい場所での持ち帰り販売に商機を見いだす企業がある
「近づけない、集めない」 時代を生き抜く、企業の知恵:
「人が集まる」「人に直接会う」ことで稼いできた企業が、新型コロナを契機に自社戦略の見直しを迫られている。どのようにして「脱・3密」や「非接触」を実現し、ビジネスチャンスを生み出そうとしているのか。
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大手たこ焼きチェーン「築地銀だこ」を展開するホットランドは9月17日、「築地銀だこ 立川ドライブスルー店」(東京都立川市)をオープンした。
この店舗はトレーラーハウスを活用した店舗になっている。具体的には、2台のトレーラーハウスの車輪を取り外し、駐車場のような広場に設置している。店舗面積は約26平方メートル。同社は数年前からドライブスルー店舗を展開しているが、トレーラーハウスでの出店は今回が初めてだという。
この店舗には、ドライブスルー用の窓口と自転車や徒歩で来店するお客のための窓口がある。付近には閑静な住宅地があり、散歩ついでに立ち寄れる気楽さがある。広報担当者によると「従来のドライブスルー店舗と比べ、地元のお客さまに密着した営業スタイル」を目指しているという。
販売する商品はたこ焼きだけでない。「銀の焼豚弁当」や「銀の焼とり弁当」(いずれも税込780円、以下同)、「銀の唐揚げ」(3個330円、6個630円、10個1000円)を用意している。弁当は、同社が運営する「ギンダコハイボール横丁」などの酒場業態で提供するために開発したものだ。
なぜ、このようなスタイルの店舗を出店したのか。同社の主力業態である築地銀だこの多くは、商業施設内に出店していた。しかし、コロナ禍の影響で一時は半分以上の店舗が休業に追い込まれた。人が集まる場所に出店することで成長してきたが、「お客さまが安心・安全を強く求めるようになった」(広報担当者)。そこで、人が密集しない場所で、短期間・低コストでの出店が可能なスタイルを模索してたどりついたのがこの店舗なのだ。今後、同じような店舗を複数立ち上げる可能性があるという。
復興支援やイベントで活躍していたトレーラーハウスに注目
ホットランドでは、復興支援や各種イベントでの出店でトレーラーハウスを活用してきた。
例えば、東日本大震災の復興支援のため、トレーラーハウスの店舗を組み合わせた「ホット横丁石巻」(宮城県石巻市)を同社が中心になって立ち上げた。また、幼稚園や福祉施設にトレーラーハウスが出張し、料理を提供したこともある。これは、店舗まで足を運べない人のためのサービスだ。
普段、トレーラーハウスは群馬県にあるホットランドの工場で待機している。これまでトレーラーハウスを利用することで蓄積してきたノウハウを活用し、出店が可能となった。
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