コラム
総務の仕事は「目立たない」「感謝されない」……戦後最大の「変わるチャンス」到来 36の業務から「求められる役割」を考える:総務プロの「攻めと守り」(2/4 ページ)
会社を運営するためのベースとなる縁の下の裏方仕事、雑用係というイメージの総務。その中でも「目立つ」仕事は何なのか。
その主たる原因は総務にあるのではなく、むしろユーザー側の働き方にあったのです。
その最たる具体例は「eメールを主軸+3種の神器(Word、Excel、PowerPoint)+会議」の働き方をオフィス内で行いたいというニーズでした。その実は時代とともに生産性が落ちてきていた働き方なのに、変えることができずに力ずくで時間をかけて働く……そのため、相当の成果を出すには残業して働くしかない社員が大半、というのが実情でしょう。
社員たちを支える必要がある以上、総務部やIT部門が最新テクノロジーを駆使して改革的なことをしたくても、社員の働き方を変えるのは簡単ではなく、ズルズルとそのままで来ているという会社が大半なのではないでしょうか。
それでも努力している企業の例では、ABW(Activity Based Working:選べる働き方)を導入するケースも昨今増えてきました。1人頭の面積は8平米、7平米……と縮小傾向は出てきましたが、総務部としてはいわゆる「従来のオフィスがなくなる」=「自分の仕事がなくなる」というある種の恐怖感もあり、ABW改革を推進するインセンティブが低いのも実情です。
自らオフィス改革に動くこと=ピンチをわざわざ誘う、仕事も増えるかも? という感覚が本音だった面もあり、思ったほどは推進できていない状況も否定できません。
そんな中でのコロナ到来です。
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