ビックカメラ、ワークマン、アルペン…… 異業種の参入で盛り上がるアウトドア市場の今:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/5 ページ)
アウトドア市場が盛り上がっている。ビックカメラやコーナン商事が相次いで専門店をオープンするなど、異業種からの参入も相次ぐ。どこまで伸びるのか。
ビックカメラのアウトドア専門店
10月8日、ビックカメラは初のアウトドア専門店「ビックアウトドア 立川店」を東京都立川市の「ビックカメラ立川店」8階にオープンした。同社グループでは、ユニクロとのコラボ店「ビックロ」(東京都新宿区)でアウトドア専門店「スノーピーク」を出店した例がある。しかし、今回のようにワンフロアーの大半を占め、1000平方メートルという大規模な専門店を自ら出店するのは初めてだ。
家電量販業界では、ヨドバシホールディングスが19年4月に石井スポーツを買収してアウトドアに進出していた。石井スポーツは1950年創業で全国に30店ほどあり、登山やスキー用品に定評がある。
ビックアウドドア構築にあたって、200以上の主要ブランドの取り扱いを開始。家電量販店だからこそできる、アウトドアで使えるポータブル電源や肌ケア用途の美容家電も提案している。
売り場の特徴は、キャンプを中心に体験型となっていることだ。具体的には、ファミリーキャンプ、ソロキャンプ、冬キャンプなどのテーマに沿って展示を行う、セレクトショップとなっている。また、庭の軒先やベランダでキャンプを行う“ベランピング”を提案するなど、アウトドアを身近に感じてもらえる工夫が印象的だ。
同社・広報では「近くに、昭和記念公園、秋川渓谷、奥多摩、高尾山のようなアウトドアスポットがあるので、1号店を立川に出店した」としており、並々ならぬ意欲を感じる。
コーナン商事も進出
コーナン商事は9月4日、ホームセンターとして初のアウトドア専門店「キャンプデポ」の1号店「CAMP DEPOT 鳳東町店」(大阪府堺市)をオープンした。
キャンプ用品を中心として、アウトドア、ハイキング、バーベキュー、ピクニックと、初級から中級者向けの品ぞろえ。同社では“キャンプを楽しむコト”を通じて「非日常」ではなくて「異日常」を体験してほしいと意気込んでいる。
同社の既存店売り上げ(3〜9月)を見ると、前年比11.5%増と好調であるが、主力となるのはDIY用品や家庭用品。200坪ものスペースで、今まで同社では全く売っていなかった商品を数多く取りそろえた実験的な店舗となっている。
ちなみに、同社は1月に新大阪に本社を移転していて、キャンプデポは旧本社を改装したものだ。
注目すべきは、eSPORTS(岐阜市)が展開するアウトドア通販サイト「eSPORTS」のプライベートブランド「クイックキャンプ」の商品を幅広く扱っていることだ。ワンタッチテント、アウトドアワゴン、車中泊マット、焚火陣幕など、ほぼ通販でしか買えなかったコストパフォーマンスに優れた「クイックキャンプ」の商品群が、実店舗で50種類以上も販売されるのは初めて。同ブランドの多くのファンが足を運んでいる。
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