ビックカメラ、ワークマン、アルペン…… 異業種の参入で盛り上がるアウトドア市場の今:長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/5 ページ)
アウトドア市場が盛り上がっている。ビックカメラやコーナン商事が相次いで専門店をオープンするなど、異業種からの参入も相次ぐ。どこまで伸びるのか。
好調なワークマン
作業服メーカーで専門店のワークマンがアウトドアの分野でも注目されたのは、「ららぽーと立川立飛」(東京都立川市)内にタウン用途にできる商品をピックアップした新業態「ワークマンプラス」を18年9月に出店したのがきっかけ。商業施設初出店であった。
ワークマン製品の優れた機能性とコストパフォーマンス、街でも着て歩けるデザイン性が話題となり、「ポストユニクロ」とまで言われるようになった。今年に入ってからの既存店売上高(前年同期比)も、1〜3月が21.2%増、4〜6月が22.3%増、7〜9月が14.7%増であり、コロナ禍においても2桁成長を続けている。
今夏も、雨が降り続いた7月は防水性が高いレインウェアが好調だった。また、猛暑の8月はファン付きの空調服が熱中症対策でよく売れた。これから冬にかけては防寒服がそろっている。同社では、ワークマンのリーズナブルな製品はアウトドア初心者に向いていると考えている。
ワークマンプラスは既存のワークマンからの業態変更が進み、早くも200店を突破した。
10月15日には、横浜市中区の桜木町駅前「コレットマーレ」に、新業態「#ワークマン女子」をオープン。男性向けも4割、男女兼用が2割あるので、レディース専門ではないが外観は女性向けの店に見える。商品を着てSNSに投稿できるスポットを多数用意。同社アンバサダーである、インフルエンサーの提案で開発した商品の紹介コーナーもある。
専門店を増やすアルペン
アルペンでは、18年4月からアウトドア専門店を出店し始め、アウトドアに特化した「アウトドアーズ」7店、登山専門の「マウンテンズ」2店、両方の要素を備えた旗艦店「アウトドアーズ フラッグシップストア」4店の計13店を展開し、集客好調だ。
同社は主力のスキー用品、ゴルフ用品が下降線で、19年6月期には最終赤字9億3500万円に転落した。しかし、アウトドアシフトの効果で、20年6月期には、3月以降の緊急事態の影響を受けたにもかかわらず1700万円の黒字に転換した。
千葉県柏市にある「アルペン アウトドアーズ フラッグシップストア 柏店」は、約2300坪の売り場に450ブランド、商品数10万点と、世界でも類を見ない超大型店だ。休日には車の大渋滞を引き起こすほどの人気店となっている。
店内では、実際にテントを張ってキャンプの状況を再現。バーベキューの展示では家庭内のインテリアとしても使えるように提案するなど、体験型の施設になっているのが特徴で、後続の店づくりに大きな影響を与えている。
9月14日には、東海地区初の旗艦店「アルペン アウトドアーズ フラッグシップストア ららぽーと愛知東郷店」を愛知県東郷町にオープンし、着々と店舗を拡大している。
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