2015年7月27日以前の記事
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韓国アイドル”BTS”株乱高下、芸能界の株式上場が世界的に珍しいワケ古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」(4/4 ページ)

著名KPOPグループの「BTS(防弾少年団)」が所属する「ビッグヒットエンターテインメント」が10月15日、KOSDAQ(韓国証券市場)に上場した。実は、ビッグヒット社のような数千億円規模の芸能プロダクションが上場する例は世界的に見ても稀であり、日本においてもこれは例外ではない。芸能プロダクションはなんらか株式公開をしない普遍的な理由があると考えられる。それは一体なぜなのだろうか。

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それでもビッグヒットが上場するワケ

 それでも今回、ビッグヒットが株式上場した理由は、逆説的ではあるが「ブランドイメージや知名度」を高めるためという点も大きいのだろう。確かに、各国の芸能プロダクションは国内における知名度こそ高いものの、海外での知名度は高くない。おそらく、冒頭で挙げた米国の4大芸能プロダクションの名前を、1つでも挙げられる日本人はごくわずかではないだろうか。

 韓国発のアイドルユニットは海外、とりわけ米国への進出に積極的だ。そこでの知名度を向上させるうえで、「上場企業としての時価総額」は国際比較が比較的容易で、それが数千億、数兆というレベルとなれば、一目で見たときのインパクトも大きい。


ビッグヒットのWebは、韓国語だけでなく日本語、英語、中国語が用意されており、積極的に海外展開するにあたり知名度を高めていこうという意思を感じる(同社Web)

 同社は設立後20年にも満たないベンチャー的な芸能プロダクションだ。伝統的なプロダクションと比較して横のつながりにも乏しく、信用力という意味においても上場は有効であったといえるだろう。今回のビッグヒット社の上場劇は、これまでは珍しかった芸能プロダクションの株式上場が今後活発になる転機となるのかもしれない。

筆者プロフィール:古田拓也 オコスモ代表/1級FP技能士

中央大学法学部卒業後、Finatextに入社し、グループ証券会社スマートプラスの設立やアプリケーションの企画開発を行った。現在はFinatextのサービスディレクターとして勤務し、法人向けのサービス企画を行う傍ら、オコスモの代表としてメディア記事の執筆・監修を手掛けている。

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