「かつや」のシェアは60%も!? コロナ禍に負けず、とんかつ・かつ丼市場で圧倒的強さを誇る秘密とは:飲食店を科学する(2/4 ページ)
コロナ禍で多くの外食企業が苦戦している。一方で「かつや」は大健闘しており、筆者の試算ではとんかつ・かつ丼市場におけるシェアが6割近くにもなるという。その強さの秘密とは?
アークランドサービスのビジネスモデル
次に、アークランドサービスの事業戦略を分析します。同社はかつや以外に「から揚げ専門店」なども展開しています。
かつやは国内409店舗、海外58店舗で計467店舗。から揚げ専門店の「からやま」「縁」は国内122店舗、海外9店舗で計131店舗を展開しています。そして、20年3月にはタイ料理専門店「マンゴツリー」や、シーフードレストラン「ダンシングクラブ」など、37店舗を展開しているミールワークスの株式を取得して子会社化しています。
今まで、同社はとんかつ専門店やから揚げ専門店といった男性の労働者世代をメインターゲットとする業態を中心に展開していましたが、ミールワークスのM&Aによって女性をターゲットとした領域にも事業展開を行っていくことが可能になりました。
また、5月にはスーパー・飲食店向けのとんかつやメンチカツなどを手掛けるコスミックダイニングの株式も取得し、冷凍食品事業へ進出しています。新たな冷凍技術などを活用し、シニア層をターゲットとした天ぷら業態「江戸前天丼はま田」や、こだわりのとんかつを展開する「とんかつはま田」といった新業態を展開しています。
何よりも驚きなのは、同社がこうしたM&Aをコロナ禍真っ只中の3月と5月に行っている点です。当然、以前から準備を進めていたと思いますが、冷凍食品事業をはじめとしたウィズコロナに向けた事業モデル変革を次々と実行していくスピード感には驚かされます。
さまざまな事業領域に進出している同社ですが、現状ではグループ売り上げの67.8%はかつや業態となっています。次は、同社の強い事業基盤となっているかつやのビジネスモデルを分析していきます。
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