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「移動」事情激変で大打撃のJR東日本、“生活”を軸にした新たな提案とは?:今期は4000億円赤字予想(3/3 ページ)
JR東日本の2020年4〜9月期の連結業績は、売上高が前年同期比5割減。中間決算として初めて赤字を計上した。新型コロナウイルスの影響で打撃を受けているが、すでにそれ以前から鉄道需要縮小を見据え、移動ではなく“生活”を軸とした事業展開へ舵を切っている。
具体的には、新しい働き方の支援として、エキナカでブース型シェアオフィスなどを運営する「STATION WORK」の拡大や、ワーケーション・多拠点居住の支援がある。STATION WORKは、1年以内に100カ所、25年度までに全国1000カ所に設置する目標を掲げる。会社に行くことが減っても、働く場所や時間を柔軟に選びながら、鉄道やサービスを利用してもらう狙いがある。
また、駅空間も、無人店舗などの設置でデジタル化したり、情報発信拠点としての機能を高めたりすることで、単なる移動にとどまらない需要が生まれる。3月に開業した高輪ゲートウェイ駅では、そういった新しい機能を多く取り入れている。
すでに厚い顧客基盤を持つ「Suica」を活用した取り組みも加速するだろう。モバイルSuicaの会員数は約1000万人。“非接触”のニーズに対応したチケットレスやモバイルサービスの拡大のほか、データ分析による新サービスの開発なども想定している。
急激な環境変化で業績は悪化したが、鉄道需要縮小の危機感はそれ以前からあった。曖昧だった社会変化の様相が明確になった今、移動サービスから生活関連サービスへの広がりがより鮮明になっていくと考えられる。
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