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島忠巡り『キングダム』状態のホームセンター業界 秦=カインズにDCM、ニトリはどう戦う?小売・流通アナリストの視点(5/5 ページ)

DCMと島忠の連合に、ニトリが待ったをかけた。小売・流通アナリストの中井彰人氏は、昨今のホームセンター業界を「古代中国戦国時代」と説く。同時代は人気マンガの『キングダム』で描かれているが、さて、その心は。

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 「異民族」であるニトリは、争奪戦に勝てば島忠をホームセンターとして存続させることは考えにくく、短時間でニトリ化するように思われる。チェーンストア理論の優等生であるニトリが、自社内にホームセンターを残す非効率な運営をするのは考えにくいからだ。

 ただ、シマホユーザーである筆者の家族などは、島忠の売場がなくなってしまうのであれば、うれしくないとはっきり言う。ニトリは行ける範囲に店舗があるので、シマホを残してくれるであろうDCMグループを応援している、というのである。一般の消費者にとっても選択肢が減っていくというのは、決して喜ばしいことではあるまい。PBだけしかない世界での買い物を、消費者は望んではいないはずだ。この争奪戦、ニトリ優勢ともいわれる中でも、DCMグループに頑張ってもらいたいと思っている人は、そう少数派でもないような気がするのである。

著者プロフィール

中井彰人(なかい あきひと)

メガバンク調査部門の流通アナリストとして12年、現在は中小企業診断士として独立。地域流通「愛」を貫き、全国各地への出張の日々を経て、モータリゼーションと業態盛衰の関連性に注目した独自の流通理論に到達。


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