まるで「関ヶ原の戦い」 “覇王”ウエルシアや“九州の雄”コスモスの猛攻にマツキヨ・ココカラ連合は……:長浜淳之介のトレンドアンテナ(5/6 ページ)
ドラッグストア各社の競争が激化している。コロナ禍やインバウンド需要消失で苦戦するチェーンも出てきた。一方で、スーパーや同業を買収して勢力を拡大する動きも。
ほとんどスーパーみたいなクスリのアオキ
さて、石川県を中心に北陸、中部、関東、近畿、東北に店舗網を広げるクスリのアオキHDは、業界10位あたりに位置しており、大手ドラッグストアの一角だ。21年5月期第1四半期(20年6〜8月)の決算は、売上高777億円(同7.6%増)、経常利益50億円(同38.7%増)と順調。その同社がなぜ食品スーパーを買収したのか。
クスリのアオキの商品別売上構成は、20年5月期決算によれば、ライフ(食品・家庭用品等)63.3%、ビューティ(化粧品等)16.1%、ヘルス(医薬品・健康食品等)11.5%、調剤9.1%となっている。
ここも食品が強く、ほとんどスーパーみたいなチェーンだ。
ゲンキーが基盤とする福井県と、クスリのアオキの拠点である石川県は隣接しており、一番の競合。対抗上、食品スーパーをM&Aして、生鮮のノウハウを習得する必要性があった。
今年の6月には、金沢市で5店を展開する「ナルックス」を買収。ナルックスは鮮魚に強みがあり、地元での評価が高い。ゲンキーは自社で精肉を行っているが、ナルックスが出店・プロデュースすれば、鮮魚で圧倒的優位に立てる。
また、10月8日に京都府北部の舞鶴市や宮津市に8店を展開する地域スーパーの「フクヤ」も買収した。クスリのアオキは今まで、京都府北部の日本海側には1店しか店舗がなかったが、フクヤ店舗を改装して医薬品も扱う。
同社の広報は「弊社がM&Aを手掛けるのは初めて。300〜400坪の大型店を郊外で出店してきたが、生鮮も少しずつ入っている。これを機会に強化したい」と抱負を述べた。
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