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まるで「関ヶ原の戦い」 “覇王”ウエルシアや“九州の雄”コスモスの猛攻にマツキヨ・ココカラ連合は……:長浜淳之介のトレンドアンテナ(6/6 ページ)
ドラッグストア各社の競争が激化している。コロナ禍やインバウンド需要消失で苦戦するチェーンも出てきた。一方で、スーパーや同業を買収して勢力を拡大する動きも。
岐阜県では大混戦
ドラッグストアは出店ラッシュが続き、特に中部と北陸では、激戦となっている。
天下分け目の「関ヶ原」さながらに、岐阜県では関東のウエルシア、マツモトキヨシ、サンドラッグ、北陸のクスリのアオキ、ゲンキー、愛知のスギ、九州のコスモス、地元のバローHD等のチェーンがしのぎを削る。直近5年でドラッグストアの店舗数が1.5倍になり、人口5000〜6000人に1軒のドラッグストアがある状態に近づきつつあるという。
コロナ禍が長引く中で、日本中が岐阜県のようなドラッグストア超競争時代に入るのか。食品スーパーをも巻き込んだ、業界を跨いだ再編が起こるのか。食品部門が貧弱なマツモトキヨシ・ココカラファイン連合は踏みとどまれるのか。
今後の動向が見逃せない。
著者プロフィール
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。
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