日本中に“隠れ無惨”上司がいる! 鬼舞辻無惨のパワハラを笑えないワケ:恐怖政治を全力で否定する(1/5 ページ)
人気漫画『鬼滅の刃』で、鬼たちの「パワハラ会議」が話題となった。ネタとして消費されているが、日本企業も笑っていられないのではないだろうか。
「全ての決定権は私に有り私の言うことは絶対である」 「お前に拒否する権利はない」――職場で上司から、矢継ぎ早にこのような言葉を投げかけられたら、部下の心にはどのような感情が沸き起こるでしょうか。
たとえ上司であっても、何様のつもりだと反発したくなるのではないかと思います。これは、漫画『鬼滅の刃』に登場する鬼の始祖、鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)が、部下である鬼に向けて放った言葉です。しかし、実際の職場でここまで高圧的な言葉を吐く人はまずいません(絶対にいないとも言いませんが)。
しかしながら、言い回しが違うだけで同じような意味の言葉を発している、“隠れ無惨”とも言うべき上司は世の中にたくさんいます。
「決めるのは私だよ。キミはただ言われた通りに動いてくれればいいから」
言い方は違えども、内容は鬼舞辻の言い放ったものとほぼ同じです。このような言葉で指示を出す、隠れ無惨化した上司であれば身近に思い当たる人がいるのではないでしょうか。
人には意思があります。最終的には決定権者である上司の指示に従うとしても、納得感を持って動くのとそうでないのとではパフォーマンスに雲泥の差が生じることもあります。また、心情面においても意思を否定されたと感じればストレスになります。
「誰が喋って良いと言った?」「貴様共のくだらぬ意思で物を言うな」「私に聞かれた事にのみ答えよ」――これらは、鬼たちが集まった場で、ある鬼が発した言葉を遮って放った鬼舞辻の言葉です。このままの言葉ではあまりリアリティーがないかもしれませんが、次のような発言であればどうでしょうか。
「勝手に発言するのはやめてくれるかな。質問したことだけ答えてくれればいいから」
会議で発言しようとしたところ、上司からこのようにピシャッと言われたら、その場はシーンと静まり返りそうです。仮に言い回しが柔らかかったとしても、威圧感は伝わるものなのです。上司からの威圧的な雰囲気をヒシヒシと感じる中で行われる会議では、柔軟な発想や活発な意見は出てこないでしょう。
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