日本中に“隠れ無惨”上司がいる! 鬼舞辻無惨のパワハラを笑えないワケ:恐怖政治を全力で否定する(5/5 ページ)
人気漫画『鬼滅の刃』で、鬼たちの「パワハラ会議」が話題となった。ネタとして消費されているが、日本企業も笑っていられないのではないだろうか。
それは、鬼舞辻の組織には鬼舞辻を超える強者が存在しないのに対し、産屋敷の組織は産屋敷を超える強者ばかりである点です。
恐怖でマネジメントする組織では、権力者を超える強者は育ちません。仮に権力者を脅かすほどの力を身に着けた者が現れた場合、恐怖で押さえつけることができなくなるからです。世の中にはびこる隠れ無惨化した上司たちにも、同様の心理が働きます。
イエスマンが、“隠れ無惨”を助長する
そんな隠れ無惨の存在を支えているのが、周囲のイエスマンたちです。仮にワンマン経営をする社長が隠れ無惨だった場合、直下の経営陣や幹部たちがイエスマンであれば、隠れ無惨社長は安泰でしょう。その結果、組織ピラミッドの下層にいる人たちは、報われることのない恐怖マネジメントを受け続けることになります。隠れ無惨は、日本中のあちこちに存在しています。そして、その多くは自らが隠れ無惨であることを認識すらしていない可能性があります。周囲はイエスマンばかりで、誰からも指摘されないからです。
しかし、無自覚であろうがなかろうが、隠れ無惨が社会にとってマイナスの存在であることに変わりありません。パワハラや過労自死といった根深い社会問題の元凶の一つです。漫画の中の鬼舞辻無惨は、ハリーポッターシリーズのヴォルデモートや北斗の拳のラオウなどに匹敵するほど、魅力的なキャラクターに違いありません。しかし、鬼舞辻型マネジメントについては、柱の一人、煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)風に「全力で否定」するべきだといえます。経営者や管理職、ひいては政治家、親、学校の先生など人をマネジメントする立場にある方々には、是非とも産屋敷型マネジメントを目指していただきたいと思います。
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